海外進出を目指す企業にとって、海外市場に製品やサービスを紹介するイベントの開催は極めて重要な戦略です。現地のユーザーに直接アプローチできるインバウンドイベントは、認知度向上や顧客獲得はもちろん、文化の違いを学び、長期的な関係を構築する絶好の機会となります。本記事では、海外進出イベントを成功に導く各ステップを紹介しながら、注意点やよくある質問への回答も交えていきます。

目次
  1. 海外でイベント開催する理由とは
  2. 海外進出イベントが企業にもたらすメリット
  3. 成功させるには
  4. 海外進出イベントの計画と準備
  5. 海外進出イベントのプロモーション戦略
  6. イベント当日の運営
  7. イベント開催後のフォローアップ
  8. 海外進出イベント開催に関するよくある質問
  9. まとめ
  10. その他
  11. 導入の流れ
  12. 関連記事
  13. 参考資料

海外でイベント開催する理由とは

イベントを海外で開催する理由は企業が持続的に成長していくためです。現在世界ではグローバル化が進んでいます。また日本国内の少子高齢化が加速していく中海外市場への進出は不可欠です。しかし、言語や文化、法制度の違いから、海外進出には多くの障壁があります。インバウンドイベントの開催は、そうした障壁を乗り越えるための第一歩となります。現地のお客様との直接的な交流を通じて、製品やサービスに対する理解を深め、現地の嗜好やニーズを把握できます。これが、その後の製品開発やマーケティング戦略の立案に大きく役立ちます。

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海外進出イベントが企業にもたらすメリット

海外でイベントを開催することには様々なメリットがあります。第一に、ブランド認知度の向上が挙げられます。紹介の場を設けることで、企業や製品を多くの人々に知ってもらえます。さらに、商談の機会を得ることができ、販路拡大やパートナー企業の発掘にもつながります。加えて、現地のお客様との交流は、言語や文化の違いを理解し、将来の製品開発やサービス提供に生かせます。長期的な視点では、イベントを通して得られた知見をもとにリスクマネジメントも行え、海外拠点の設立などさらなる海外進出の布石ともなるのです。

成功させるには

すでに海外進出に成功している企業の事例から、イベントのポイントを学びましょう。例えば自動車メーカーのアメリカ進出では、新型車の発表会を開催し、大々的にPRしました。現地メディアや著名インフルエンサーを招待し、製品の特長を分かりやすく伝えたことで話題となり、認知度が大幅にアップしました。

アパレルブランドの中国進出事例では、現地の人気モデルを起用し、ファッションショーを開催。SNSを活用した情報発信により若年層の関心を集め、一気に人気ブランドへと躍り出ました。このように、インバウンドイベントの成功のカギは、的確なターゲティングと効果的なプロモーションにあります。

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海外進出イベントの計画と準備

イベントを開催するにあたり開催の計画や準備が必要です。「海外で展示会を開催する方法とは?」でも詳しく解説しています。

目標設定の重要性

インバウンドイベントを成功に導くためには、事前の綿密な計画と準備が不可欠です。まずは、イベントの目的と目標を明確にすることが重要です。単なる製品やサービスの紹介にとどまらず、販路拡大や新規顧客開拓、ブランディングなどの具体的な目標を設定しましょう。特に参加者の目標人数や予算、期待するROIなどを数値化し、評価基準を決めておくことが大切です。明確な目標なくしては、イベントの成否を判断できません。

ローカル市場の調査方法

現地の状況を把握せずにイベントを企画しても、参加者を呼び込めない可能性が高くなります。そこで、事前の市場調査は欠かせません。政治・経済・社会情勢から競合状況、さらには文化や宗教的背景に至るまで、幅広い視点から現地市場を分析する必要があります。政府機関や業界団体の発表資料、専門家への取材、現地在住の知人からの情報収集など、様々なルートを駆使し、現地の実情をできる限り掴みましょう。

パートナー企業との協力体制の構築

単独で海外進出イベントを企画・運営するのは、リスクが高くなります。現地に精通したパートナー企業と協力体制を組むことで、多くのリスクを回避できます。イベント会場の手配や設営、通訳・翻訳、宿泊・移動手段の確保など、現地側の役割を明確にし、お互いの強みを活かした分担を心掛けましょう。特にイベントの広報・プロモーション面では、パートナー企業のネットワークを最大限に活用することが重要です。

海外進出イベントのプロモーション戦略

イベントを行う際にはプロモーション活動が必須です。プロモーションのために色々な方面から行うことが大切です。3つ紹介します。

SNSを活用したプロモーション

SNSは、イベントプロモーションに欠かせないツールです。FacebookやInstagramなどで、開催の告知を行うとともに、製品・サービスの魅力を積極的に発信しましょう。ハッシュタグの効果的な使用や、分かりやすい写真・動画の投稿により、幅広い層に情報を伝えられます。また、現地のインフルエンサーに協力を仰ぐのも有効な方法です。彼らのフォロワーに情報が行き渡れば、集客力が格段にアップします。SNSを戦略的に活用し、興味関心を高める工夫が不可欠です。

ローカルメディアとの連携

プロモーションでは、ローカルメディアとの連携も重要なポイントです。テレビやラジオ、新聞、雑誌など、地元で影響力のある媒体に取り上げてもらうことで、確実に認知度を高められます。しかし、メディア露出を得るのは容易ではありません。事前にリリースを送付し、記者会見を開くなど、様々な機会を利用して積極的にアプローチしましょう。「ロックフェラー・ルール」とも言われる継続的な働きかけが成功の鍵を握ります。

インフルエンサーマーケティングの活用

近年、インフルエンサーマーケティングが注目を集めています。現地のSNSで高い発信力を持つインフルエンサーに協力してもらえば、的確なターゲティングと幅広い情報拡散が期待できます。製品・サービスの魅力を伝えるだけでなく、インフルエンサー自身もイベントに招待し、会場の雰囲気を発信してもらうのがベストです。リアルな体験に基づいた情報発信は、参加者の心を掴みやすくなるでしょう。インフルエンサーの選定は慎重に行う必要がありますが、上手く活用できれば大きな効果が期待できます。

イベント当日の運営

イベントの準備や計画の時だけでなくイベントの当日もしっかり対応する必要があります。準備段階の時とも関係する項目もありますが、以下の3つが重要です。

物流面の課題と対策

海外でイベントを開催する以上、物流面での課題は避けられません。機材や資料、サンプル製品等を現地に運ぶ際の通関や輸送手続きなど、規制への対応が求められます。輸出入に関わる書類の準備や税関手続き、さらには保険加入など、リスクマネジメントを徹底する必要があります。現地のパートナー企業と綿密に打ち合わせを重ね、物流の流れを事前に確認・調整しておくことが大切です。

多言語対応の重要性

言語の壁は、インバウンドイベントで最も大きな障害の一つです。多国籍の参加が見込まれる場合は、できる限り多言語による対応を心掛けましょう。少なくとも英語は必須であり、可能であればその他の現地語にも対応した方が好ましいでしょう。会場のスタッフはもちろん、資料や展示物のパネルなども、主要言語による翻訳を行います。同時通訳の配置も検討に値します。言語の違いによるコミュニケーションギャップを解消し、スムーズな運営を実現することが肝心です。

カルチャーショックを乗り越えるコミュニケーション

言語の壁以外にも、文化の違いがカルチャーショックを生む可能性があります。例えば挨拶の仕方や身振り手振り、話し方のニュアンスなど、些細な部分から大きな誤解を招くことがあります。そうした事態を避けるには、事前の綿密な調査と、現地スタッフ・通訳を交えた疑問点の解消が不可欠です。また、現場では冷静に対応し、相手の文化に敬意を払うことを心がけましょう。言語と並んで、文化の違いを理解し乗り越えることが大切なのです。

イベント開催後のフォローアップ

イベントが無事に終了したとしてもその後にしなけれなならないことがあります。

参加者フィードバックの収集と分析

イベント終了後は、すぐに参加者からのフィードバックを収集し、分析することが重要です。アンケートやインタビュー、SNS上での反応を注視しながら、運営面での評価や製品・サービスに対する意見を把握します。客観的な目線で、PDCAサイクルに基づき改善点を洗い出すことで、次のイベントに役立てられます。また、フィードバックに適切に対応することで、参加者との信頼関係を一層深められます。

長期的な関係構築のための戦略

インバウンドイベントはその場限りの取り組みにとどまるべきではありません。参加者を長期的な顧客に育てあげるための戦略が必要不可欠です。イベント後は、きめ細やかなフォローアップを行いましょう。メールマガジンの発行やSNSでの情報発信、顧客向けの特典の提供など、様々な手段を組み合わせることで、リピート購入を促し、ロイヤルカスタマーの獲得につなげられます。顧客データベースの構築にも注力し、マーケティングオートメーション化を進めましょう。

次回イベントへのつなげ方

単発のイベントで終わらせるのではなく、次のイベントにつなげていく視点も重要です。イベント後のフォローアップを着実に行うことで、今後の改善点が見えてきます。例えば、前回のイベントでは参加者からこうした要望が多かった、展示スペースや内容をこう変更するべきだったなど、具体的な課題を検証します。そうした分析を踏まえ、次のイベントの企画・準備を進めることで、より高い満足度を実現できるはずです。継続的な改善こそが、将来の海外進出イベントの成功につながるのです。

海外進出イベント開催に関するよくある質問

ビザや入国管理の問題は?

海外でイベントを開催する際、ビザや入国管理は大きな関心事です。イベントスタッフの渡航については、その国の入国規制をしっかりと確認し、必要に応じて業務ビザなどを手配する必要があります。また、サンプル製品の一時輸入や展示物の移動など、物品の取り扱いについても注意が必要です。現地のパートナー企業と綿密な打ち合わせを重ね、当該国の規制を遵守することが肝心です。

現地の文化や法律についての注意点は?

海外進出においては、現地の文化的背景や法制度の理解が欠かせません。例えば宗教的な理由で、特定の製品やサービスを提供できない場合があります。また、商習慣が日本と大きく異なることもあり、契約書の作成などで注意を要します。さらに、製品の安全基準や広告規制など、様々な法的要件をクリアする必要があるでしょう。事前の入念な調査が不可欠であり、現地の専門家との密な連携も欠かせません。

言語の壁をどう乗り越える?

前述のように、多言語対応は必須です。ただし、費用やリソースの制約から、完全な多言語化は現実的ではないかもしれません。そこで重要なのが優先順位の設定です。最低限、英語への対応は必須であり、多言語対応できる分野と、英語対応で済ませる分野を峻別することが賢明です。また、通訳やAIツールなどのテクノロジーを活用することで言語の障壁は大幅に軽減できます。

費用対効果をどう評価する?

インバウンドイベントには多額の費用が掛かります。会場費、機材レンタル費、通訳・翻訳費、宿泊費、広告宣伝費など、様々な支出が発生します。それゆえ、投資に見合った効果が得られるかどうかの評価が重要になります。前述の目標設定の段階で、具体的な数値目標を立てておくことが不可欠です。例えば、新規顧客獲得数、販売額、ブランド認知度の向上などの指標を設け、イベント後に達成状況を分析します。費用対効果を冷静に検証し、次のイベントへの改善につなげていくPDCAサイクルを回すことが肝心です。

失敗から学ぶためのヒントは?

世界に冠たるイベントでさえ、必ずしも完璧とは限りません。いくつかの失敗は避けられないかもしれません。しかし、その失敗から学び、教訓を次に生かすことが何よりも重要です。例えば、イベント運営でスタッフのコミュニケーション不足が指摘されたなら、事前の研修を徹底するなど対策を検討します。SNSの活用が不十分だったのであれば、戦略を見直して改善に努めましょう。失敗にくよくよするのではなく、原因を分析し、気づきを活かせば、次は必ず良い結果が得られるはずです。

まとめ

本記事では、海外進出イベントの重要性と、各ステップにおける留意点、よくある質問への対応などを説明してきました。海外進出は容易ではありませんが、しっかりとした準備とマネジメントを行えば、確実に道は拓けます。まずは小さな一歩から始め、フィードバックを活かしながらPDCAサイクルを回し続けることが肝心です。

その他

海外でイベントを開催する際に、チケットを販売する必要があります。その時に使用できるチケット販売サービスの1つに、チケミーのTicketMe海外販売があります。

海外にチケットを販売することができる『TicketMe 海外販売』について

TicketMe 海外販売では、インバウンド需要を狙うイベント主催者が抱える問題を解決するようにしています。

  1. 訪日外国人への効果的なマーケティング
  2. チケット販売のオンラインシステム/決済手段の提供
  3. 開催日における外国人向けオペレーションのサポート

(1)訪日外国人への効果的なマーケティング

イベント事業者には、海外への効果的なマーケティングを行う人材やノウハウを保有していないなど様々な問題を抱えていると思います。しかし、チケミーでは海外の提携メディアへの、完全成果報酬型広告の出稿等のプロモーション、世界各国の開発パートナーとの連携し、国や地域ににローカライズした上で共通在庫化された販売サイトの提供により、効果的に認知、告知をすることができます。また、完全報酬型であるため、インバウンドを取り込むためのマーケティング費用を最大限まで減らすことができます。

(2)チケット販売のオンラインシステム/決済手段の提供

国々によって人気な決済方法が違っており、イベント主催者が全ての決済方法を導入することは難しいです。TicketMe 海外販売では、訪日外国人でも利用しやすいオンラインチケット販売システムを提供することは勿論のこと、クレジットカードやPayPal、Alipayなど、訪日外国人から人気の高い決済手段も幅広く対応していく方針です。購入から入場まで一貫してオンラインで完結できるシステムのため、訪日外国人やイベント主催者側も両方が利便性の高いシステムを活用することができます。

(3)開催日における外国人向けオペレーションのサポート

イベント主催者にとって外国人の対応をすることが難しい場合があります。しかし、チケミーでは、外国人への対応ができる人材の派遣を行います。これにより、イベント主催者は、外国人参加者への対応にかかる負担を軽減し、安心してイベント運営を行うことができます。

導入の流れ

「TicketMe 海外販売」の導入は、以下の流れで進めることができます。

①事前登録

以下の事前登録用のページからお問い合わせしてください。

https://ticketme.co.jp/contact/oversea

②ご相談・カスタマイズ

事業主様、配券担当者様との初回ミーティングを通じて、お客様のニーズやイベントの特性を把握し、最適なサービスを提案いたします。具体的には以下の中からお客様に必要なものを組み合わせます。

・基本機能(電子チケット販売、外国人向け決済手段の提供、二次流通コントロール機能)
・イベント詳細内容の英語対応
・海外のチケミー提携メディアへの、完全成果報酬型広告の出稿等のプロモーション
・共通在庫化した上で、国や地域にローカライズされた販売サイトでの販売
・開催日における外国人向けオペレーションのサポート

③ご導入の決定

ご相談の上で提案にご満足いただけましたら、基本的な契約手続きに移ります。契約書の取り交わしと同時に、専属の担当者がお客様にアサインされ、円滑なサービス提供のための調整が始まります。

④マーケティング戦略の立案

チケミー社の海外販売の専門家チームが、お客様のイベントに適したマーケティング戦略を立案します。提携メディアへのプロモーションや、国や地域にローカライズされた販売サイトでの販売など、訪日外国人にアプローチするための戦略が具体的に定められます。

⑤外国人向けオペレーションの計画

開催当日の外国人向けオペレーションをサポートするため、必要な人材やサービスを計画します。これには、外国人向けの入場受付や会場案内、トラブル対応などが含まれ、円滑なイベント運営のための体制が整います。

⑥トライアル運用

システムの運用や外国人向けサポートの一部をトライアル運用し、問題がないか確認します。トライアル運用の段階では、必要に応じて微調整を行い、サービスが円滑に提供できるよう最終調整を行います。

⑦本格運用開始

すべての段階が順調に進んだ場合、本格的な運用を開始します。「TicketMe 海外販売」のサービスを通じて、訪日外国人を効果的に引き込みながら売り上げを最大化し、主催者様は安心してイベントに集中できるようになります。

ご興味のある場合は、こちらからご資料を請求していただけると幸いです。

TicketMe 海外販売の事前予約

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