Web3ファンマーケティングを検討し始めた人は、まず胡散臭い、オワコンという世間の評価に突き当たります。NFTやトークンという言葉だけで投機的な話だと身構えてしまいます。

実際には、テレビ番組とweb3を組み合わせた企画で、参加した人の多くが最後まで離脱せずに続けた例があります。日々の関わりを後から辿れる形にしていたことが、その背景にあります。

投機と応援を切り分けたうえで実在事例と失敗パターンを読み解けば、自社の施策として何から始めればいいか判断できるようになります。

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Web3ファンマーケティングとは

ファンマーケティングの評価の軸は、いくら売れたかから、どれだけ関わり続けているかへと移りつつあります。これまでファンの行動や愛着は、企業のデータベースには残らない見えないものでした。Web3ファンマーケティングは、その見えなかった熱量をトークンやNFTという形で可視化し、企業とファンの関係を組み替えていく取り組みを指します。

従来のファンマーケティングとの違い

どれだけ友人に熱く語ってくれたか、どれだけ雨の日のイベントに来てくれたか、どれだけ初期から信じてくれていたか。こうした応援は、企業のデータベースには残りませんでした。

Web3では、トークンやNFTが、その人がどれだけ関わり続けているかという履歴(ログ)を刻んでいきます。応援が、後から辿れる記録として手元に残ります。ここが従来との大きな違いです。NFTそのものの仕組みや会員証・チケットへの活用パターンを先に押さえたい場合は、以下も参考になります。

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評価の指標も入れ替わります。たくさん売ることを追う発想から、長く関わってくれる人を増やす考え方へ。一度の購入額の大きさよりも、関わり続けた時間の厚みが価値として扱われるようになります。

実際に、ファンの立ち位置も動きます。二次創作やアンバサダー、口コミといった行動で、受け手だったファンが作り手の側に回るのも大きな変化です。

そうして生まれた口コミやファンアートは、企業が出す広告以上のブランド資産になっていきます。売上ではなく関係性でファンを捉え直すという発想自体は、web3に限った話ではありません。

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胡散臭い・オワコンと言われるのはなぜか

Web3ファンマーケティングには、胡散臭い、オワコンという評価がついて回ります。背景には、NFTは有名人や企業が集金するための手段だという警戒があります。賢い人しか使いこなせず、そうでない人が飛びついて結局使えなかった、という受け止めも重なっています。

もう一つは、web2.0のようにいつの間にか話題に上らなくなったことを、そのままオワコンと読む見方です。ただし、騒がれなくなることと、使われなくなることは同じではありません。日常に溶け込むほど、わざわざ語られる回数は減っていきます。

もっとも、投機と、ファンの気持ちを後から辿れる形で残す取り組みは、そもそも狙いが違います。胡散臭さの多くは前者に向けられています。

Web3ファンマーケティングの活用事例

国内では、アーティストやテレビ局、IT企業がすでにweb3を使った企画を動かしています。完走率や参加人数といった数字で裏付けられた実例は、投機とは別の、続く関与を生む設計から生まれています。

BABYMETALのファンクラブ会員証・視聴チケットのNFT化

BABYMETALは、ファンクラブの会員証や有料スタンプ、ライブ配信の視聴チケットをNFT化しました。配信を見るためのチケットを、配信が終わったあともそのまま応援の証として手元に残せる仕組みです。

そのため、これまでライブが終われば消えていた視聴権が、参加した履歴として手元に残ります。一度きりの入場権とは異なります。会員証やスタンプのようなデジタル上のコレクションアイテムを配布する発想は、VTuber分野のデジタルグッズ展開とも重なります。

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こうしたNFTには複数のパターンが用意され、全部を集めたいファンが集まりました。長く関わり続けたぶん、ひとりのファンが落とす金額も自然に高くなっています。

ライブを観る行為そのものより、集める楽しさを積み重ねる感覚が購入の動機になっていきます。会員証もスタンプもチケットも、集めるほど手元に積み上がっていく仕組みです。

サザンオールスターズのデジタル+紙記念チケット併用

サザンオールスターズは、全国ツアーの多くの公演でデジタルチケットを導入しました。来場したファンは、デジタルチケットの保有とファンクラブ会員証の提示で、その公演だけの紙の記念チケットを受け取れます。開催地ごとにデザインが変わるため、各地の配布場所にはどこでも列ができました。

デジタルチケットと紙の記念チケットを併用するこの仕組みは、入場管理と手に取れる記念品という、二つの良さを組み合わせた企画です。全会場を回るファンにとっては、行った証を一枚ずつ集める楽しみが加わります。

テレビドラマ×ダイナミックNFTの視聴者参加企画

テレビ東京のドラマとweb3を組み合わせたキャンペーンでは、博報堂DYホールディングスの発表によると、一度でも参加した人の50%以上が最後まで完走しました。この企画は、ダイナミックNFTを使っています。毎週ミッションをクリアするとNFTのケーキが少しずつ成長し、参加者が増えるほど出演者への差し入れが大きくなる仕掛けです。

ハッシュタグ投稿は約1万8,000件にのぼりました。また、友達紹介からの参加は約700人で、ひとりで31人を招いた人もいました。さらに、ミッションの実行は延べ1万5,000回を超え、参加者ひとりあたり平均で7〜8回に達しています。ここまで離脱せずに関わり続けた背景には、番組側が用意した参加のしやすさがありました。

スポーツ選手を支えるNFTコミュニティ

BIPROGYは、web3を使ってスポーツ選手を支える実証に取り組みました。マイナーな競技のアスリートは、寄付に頼りがちな活動資金と、引退後に競技経験を生かしにくいセカンドキャリアの壁に直面しています。

ここで動くのが、選手のNFTを持つファンのコミュニティになります。ファンは応援したい本人のNFTを手に入れ、資金面の支えと日々の活動を見守る関係の両方でつながります。勝敗だけでは測れないその熱量を、選手が現役中も引退後も支えに変えられるかを検証する取り組みです。

なぜ多くの施策が一過性で終わるのか

Web3だから成功する、というわけではなく、コミュニティを作っただけでは施策が続く保証にもなりません。実際に、動き出した企画の多くは、途中で勢いを失います。

参加のハードルが高いと入り口で離脱する

入り口で離脱が集中します。ウォレットの作成やNFTの取得で、最初のつまずきが起きます。操作画面の言葉が見慣れなければ、そこで先へ進めない人が出ます。

アカウントの連携でエラーが出れば、一度離れた人はなかなか戻りません。企画の中身がどれだけ面白くても、そこへたどり着く前に人数は減ります。

ところが、この入り口の重さは軽く見られがちです。コミュニティが育つには、最初に一定の人数が通過しなければなりません。序盤で抜けた人を後から呼び戻すのは、骨が折れます。人が集まる前に熱量が細り、企画は静かに終わります。

入り口の重さは、企画の面白さとは別の問題です。凝った仕組みを用意しても、そこへ届かなければ意味を持ちません。中身を作り込む前に、取得までの手順をどこまで削れるかを先に詰めておく必要があります。

目的が曖昧なまま始めると一過性で終わる

コミュニティを作れば成功、というほど甘くありません。問われるのは、何のための熱量の見える化かという一点です。ここを決めずに走り出した企画は、たいてい単発で終わります。

目的を決めずに走ると、毎回ゼロから設計をやり直すことになります。実際には、案件ごとに割ける人手が足りていません。そのうえ専用の開発が必要になれば、手間もコストもかさみ、成果がそれに見合わなければ運営はそこで手詰まりです。

たとえば、目的が定まっていれば、どこまで作り込むかを判断できます。予算の上限も、そこから逆算できます。逆にここが曖昧なまま走り出すと、多くの企画は面白さではなく、この見極めの甘さでつまずきます。

成果を伸ばす施策に共通する設計

一過性で終わる施策と伸び続ける取り組みは、投機の有無ではなく、ファンの熱量をどう受け止め続けるかという設計の向きで分かれます。

続けて関わる導線があるか

先述のドラマ×NFT企画では、放送日以外もSNS投稿や友達招待で番組に関与できる場が、そうした日にも置かれていました。出演者の話題を広めたり知り合いを誘ったりする小さな行動が、次の放送を待つあいだも途切れずに続けられる設計です。高い完走率を支えたのは、この「戻ってくる理由」の多さでした。

BABYMETALの会員証・視聴チケットのNFT化も同じ発想です。ライブが終わったあとも手元に記録が残るため、関与はその場限りで終わりません。一度きりの企画で満足させるのではなく、次に戻ってくる入り口をいくつ用意できるかが、ここでも継続率を左右する要因になっていました。

熱量を計測して報いる仕組みがあるか

伸びた施策は、ファンの何を計測するかを最初に決めていました。体験としてどんな感情になったか、関係性として誰とつながったか、継続参加としてどれだけ長くいたか、共感として何を支持したか。この4つを測り、それぞれに見合う形で報います。

感情を動かした人には次の体験を、長く関わった人には特別な立場を用意します。売った枚数だけを追いかけると、こうした動きはどれも数字に残りません。測る対象と報いる対象をはっきり決めた仕組みほど、ファンが返した熱量に見合う手応えを用意でき、続く輪に育っていました。

スポンサーや他番組を巻き込んで横に広げる

テレビ東京と博報堂は、番組をまたいで視聴熱をつなぐロイヤルティプログラムを構想段階として進めています。ある放送回の視聴者が別の番組を見るとポイントを得られる、番組間の送客を狙った動きです。

視聴熱を可視化すると、この番組にはこんなファンがいるとスポンサーへ伝えやすくなり、スポンサーシップや提携も成立しやすくなります。誰がどれだけ関わったかを数字で示せる応援は、出稿やタイアップを検討する材料になります。番組単位で閉じていたファン基盤が、局全体で共有できる資産に近づいていきます。

Web3ファンマーケティングの始め方

始め方はシンプルです。いきなり大規模なシステムを組む必要はなく、いまあるファンクラブやチケット施策の延長で小さく試すところから始められます。

既存のファン施策の延長でスモールに試す

最初の一歩は、ウォレットの作成を利用者に意識させない設計にすることです。SNSログインだけで参加できるようにしておけば、暗号資産の知識がない人でも入り口で離脱しにくくなります。既存のファンクラブやチケット販売の仕組みに、NFTの会員証や記念チケットを一枚だけ加える形です。この延長線上で小さく試すのが、無理のない始め方です。

逆に、いきなり大規模なカスタマイズ開発へ踏み込むことは避けたいところです。専用アプリや独自のポイント経済を一から作ろうとすると、公開前に費用も工数もふくらみます。手元にある施策へ少しだけ機能を重ね、反応を見ながら広げていく方が安全です。この順番なら、途中でつまずいても損失を小さく抑えられます。

目的を「熱量の可視化」に定めて設計する

次に決めるのは、何を成果とみなすかです。トークンの価格や転売で得られる利益を追いかけると、施策は投機の色を帯びて長続きしません。指標に据えるべきは、応援がどれだけ続いているか、その熱量をどう見える形にするかです。誰が何度足を運び、どの企画に反応したか、その記録を残せるように設計すると、単発のイベントで終わらずに関係が育ちます。

会員証やデジタルチケットから、この取り組みは始まります。それらを発行できるプラットフォームなら、独自開発を抱え込まずに応援の履歴を手元へ残せます。

たとえば、TicketMeはその一例で、SNSログインのまま証明用のアイテムを配布できる仕組みです。熱量の可視化を目的に据えたなら、その一枚を発行するところから検証を始められます。

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よくある質問

Web3ファンマーケティングは小規模なブランドやアーティストでも始められますか

小規模なブランドやアーティストであっても、Web3ファンマーケティングを始めるうえで規模の大小は条件になりません。専任の開発担当者がいなくても、いま運用しているファンクラブや会員証の仕組みに乗せる形で始められます。

判断材料になるのは体制であり、規模の大小ではありません。

たとえば、NFT発行を代行するプラットフォームを使えば、社内にエンジニアがいない体制でも、既存の会員基盤を生かして検証を始められます。

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導入にはどれくらいのコストや開発が必要ですか

専用アプリや独自のポイント経済を一から設計すると、公開前の段階で費用も工数も膨らみやすくなります。すでにあるNFT発行プラットフォームへ会員証やチケットの発行機能を載せる形なら、開発を抱え込まずに検証を始められる点がメリットです。費用感の目安は、どこまで独自機能を持たせるかで変わります。

会員証やチケットの発行だけなら初期費用を抑えて試せるため、まずは小さい範囲で始めて反応を見てから機能を足していくやり方が手戻りを防ぎます。

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まとめ

Web3ファンマーケティングの胡散臭さは、多くの場合トークンの値動きを狙う投機のイメージから来ています。しかし本来の価値は、これまでデータベースに残らなかったファンの気持ちを、履歴として残し続ける関係づくりにあります。

BABYMETALやサザンオールスターズ、テレビ東京のドラマ企画のように、実例として動いている施策に共通するのは、投機と応援を切り分けたうえで参加の入り口を軽くし、目的を最初に定めていたという点です。逆に、どちらか一方でも欠けた企画は一過性で終わっていきました。

自社で取り入れるなら、いきなり大規模なシステムを組む必要はありません。既存のファンクラブやチケット施策に、参加しやすい形の会員証やチケットを加えるところから、目的を決めたうえで試せます。

まずは資料請求で、自社の施策に合う始め方を確認してみてください。

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