インドネシアからの旅行者を引き付けるためのマーケティング戦略は、近年、大きな転換点を迎えています。新型コロナウイルスの影響が世界中で顕著になり、国際旅行業界は未曽有の挑戦に直面しました。さらに、日本経済の状況、特に円安の進行は、インバウンド需要の促進において新たな機会をもたらしています。この二つの大きな要因は、インドネシアからの観光客をターゲットとしたマーケティング戦略において、前例のないチャンスと課題の両方を提供しています。今、私たちはこれらの変化を理解し、適応することが必要です。この記事では、インドネシアからのインバウンド需要を取り込むためのSNSマーケティング方法について紹介します。

インドネシアについて

インドネシアは、東南アジアに位置する世界最大の島国で、約17,000の島からなる広大な国土を有しています。この国は、ジャワ島、スマトラ島、ボルネオ島(カリマンタン)、スラウェシ島、ニューギニア島(パプア)など、多くの大きな島々と、無数の小さな島々で構成されており、多様な文化、言語、そして生物多様性が共存しています。インドネシアの首都はジャカルタで、人口は2億7000万人以上と推計されており、世界で4番目に人口の多い国です。国の公用語はインドネシア語で、イスラム教が最も広く信仰されています。

2024年1月 訪日外客数 (JNTO推計値) (対2019年比)

https://www.jnto.go.jp/statistics/data/20240221_monthly.pdf

国/地域2019 1月 2024 1月伸率(%)
インドネシア32,47741,300+27.2%
シンガポール22,67634,100+50.4%
タイ92,64990,600-2.2%
マレーシア31,39932,100+2.2%

他の東南アジアの観光客数と比べても多いとは言えません。しかし、インドネシアは世界で4番目に人口が多い国として知られています。また、2050年にはGDPが日本を抜いて4位になると予想されており、今後訪日インドネシア人が増加すると予想されています。

訪日インドネシア人旅行消費額(億円)

以下の表は、インドネシア人が2023年に日本旅行で消費した額です。

総額宿泊費飲食費  交通費娯楽等
サービス費 
買物代
83530416811735211

なぜインドネシアを訪れるのか

インドネシア人が日本を訪れる理由は以下の6つです。

  1. 文化的魅力: 日本の独特な文化と伝統は、インドネシア人にとって大きな魅力の一つです。古き良き日本の伝統を感じることができる京都の寺社、春の桜や秋の紅葉などの四季折々の自然景観、そして地域ごとの祭りや習慣は、多くのインドネシア人を惹きつけます。
  2. 食文化: 日本料理は世界中で愛されており、インドネシア人も例外ではありません。寿司、ラーメン、天ぷらなどの日本食を本場で味わいたいという願望は、訪日の大きな動機の一つです。また、日本の地方ごとに異なる特色を持つ料理やスイーツも大きな魅力です。
  3. ショッピング: 日本の電化製品、ファッション、コスメティックスは、高品質であると世界的に評価されています。特に、最新技術を駆使した製品や、日本独自のデザインが施されたアイテムには、多くのインドネシア人が惹かれます。
  4. 自然と冒険: 日本の豊かな自然もまた、インドネシアからの訪問者を魅了する要素です。北海道の雪景色、沖縄のビーチ、富士山のような象徴的な自然スポットは、冒険と新しい体験を求める人々にとって魅力的です。
  5. 教育とビジネスの機会: 日本は高い教育水準と技術力で知られており、学びやビジネスチャンスを求めて訪れるインドネシア人もいます。日本の大学や専門学校で学ぶ学生や、ビジネス関連の訪問者がその一例です。
  6. 相互理解と友好関係: 日本とインドネシアは長い歴史を通じて友好的な関係を築いてきました。この両国間の良好な関係は、相互理解を深め、文化や経済活動の交流を促進しています。

観光庁が出しているPDFの傾向と戦略

インドネシアの訪日旅行市場は、以下のような特徴があります。

まず、海外旅行未経験者が多いという点が挙げられます。しかしながら、この国の経済成長が続くと予想されることから、今後は海外旅行者数が増加することが見込まれています。このため、日本を旅行先として選んでもらえるよう、プロモーション活動の強化が求められています。

対象となる年齢層は20代から40代の中間所得者が中心で、彼らの旅行スタイルはFIT(個人旅行)が主流となっています。この点は、旅行プロモーションや商品開発において重要な指標となります。

さらに、訪日旅行未経験者には「ゴールデンルート」と呼ばれる定番の観光コースを推奨し、一方で訪日経験者には地方の魅力的なコンテンツを提案することで、訪日者数の増加だけでなく、旅行による消費額の増加や地方への誘客も目指します。

この国の人口の約90%、そして訪日旅行を検討しているターゲット層の約70~80%がムスリムであることから、ムスリム対応施設の情報発信を強化することが、この市場での成功には不可欠です。ハラールフードの提供や礼拝のためのスペース確保など、ムスリム旅行者に配慮した施策は、彼らを引き付ける重要なポイントとなります。

最後に、旅行会社スタッフの訪日旅行に関する知識を向上させることで、より質の高い情報提供が可能になります。旅行会社との連携による情報発信強化は、訪日旅行の促進に欠かせない要素となっています。

ターゲット層

  • 訪日未経験者 20~40代 世帯可処分所得上位21~80% (5~45万円/月)
  • 訪日経験者 20~40代 世帯可処分所得上位21~80% (5~45万円/月)
  • 世帯可処分所得上位20% (45万円/月以上)

訪日インドネシア人の傾向

ターゲット主な訴求パッション 観光コンテンツ・アクティビティその他、ターゲット攻略の ための留意事項BtoBの取組BtoC/BtoBtoC の取組
訪日未経験者 20~40代 世帯可処分所得上位21~80% (5~45万円/月)街並・有名な建築 • 風景 • 庭園・花 • 伝統行事・祭体験 大都市 • ローカルフード • 夜景 • マーケット・日用品 • 現代建築 テーマパーク • テーマパーク • 博物館 • アニメ・映画の舞台訪問• 個人手配が過半数であるが、 ターゲット別に見ると旅行会 社を通じて予約をしている割 合が高いことから、旅行会社 との連携を強化。 
• ショッピングはパッションとして 有力であり、大都市のコンテ ンツとして訴求。 • 大都市とテーマパークの訴求 が人数増加に貢献。
③旅行会社招請 ⑥旅行博・商談会 ⑦セミナー・ネットワーキン グイベント (メディア・旅行関係 者) ⑩人材育成 ⑪その他 (ニュースレター)①メディア招請 ②旅行博・イベント ④広告 ⑤共同広告 ⑧インターネット (WEB・SNS) ⑨インフルエンサー招請
訪日経験者 20~40代 世帯可処分所得上位21~80% (5~45万円/月)食・飲み物 • ローカルフード • カフェ • フルーツ狩り 豊かな自然 • 風景 • 高速列車・ローカル線 • サイクリング 街並・有名な建築 • マーケット・日用品 • 伝統行事・祭体験 • 歴史的な宿 • お茶・お花など室内体験• 旅行情報は主にオンラインで 収集され、中でも多いのは、 旅行会社関連サイトの利用。 • 現地の旅行会社やOTAを通 じ、リピーター向け情報発信 や共同広告などを強化。
• 地方への移動手段として二 次交通に関する情報発信を 強化。
• 赤道直下のインドネシアには ない四季の風景を、日本へ 繰り返し訪れる動機付けとし て訴求することが重要。
⑤旅行博・商談会 ⑥セミナー・ネットワーキン グイベント (メディア・旅行関係 者) ⑦旅行会社招請 ⑩人材育成 ⑪その他 (ニュースレター)①インターネット (WEB・SNS) ➁共同広告 ③旅行博・イベント ④メディア招請 ⑧広告 ⑨インフルエンサー招請
世帯可処分所得上位20% (45万円/月以上)食・飲み物 • ローカルフード • カフェ • 料理体験 大都市 • 夜景 • テーマパーク • 演奏会・ライブ リゾート • 風景 • 温泉・湯治 • 高速列車・ローカル線 • 観光列車• 予約時のOTA利用率が 70%を超えるため、OTAとの 共同広告を実施。 
• 「食・飲み物」に限らず上質な コンテンツを訴求し、旅行消 費額単価の向上を図る。
⑤旅行博・商談会 ⑥セミナー・ネットワーキ ングイベント (メディア・旅行関係 者)
⑧その他 (ニュースレター)
①共同広告 
②メディア招請
③インターネット (WEB・SNS) 
④広告 
⑦インフルエンサー招請

マーケティングに使用できるSNS

以下の5つのSNSはインドネシアでよく使われているSNSです。

  • Instagram
  • Facebook
  • TikTok
  • WhatsApp
  • YouTube

SNSの特徴やどんな層が使用しているのか解説します。

Instagram

  • インドネシアのインターネットユーザーの84.8%が使用しており、特に若年層やブランドと消費者の間で高い人気を誇ります。ビジュアルコンテンツの共有に優れており、高品質な画像や動画を通じて商品やサービスを魅力的に紹介できます​​。

Facebook

インドネシアでは、インターネットユーザーの81.3%がFacebookを利用しており、特にeコマースや社会運動の情報共有に使用されています。年齢層は広く、商品やサービスの紹介、顧客とのコミュニケーションに役立ちます​​​​。

TikTok

急成長を遂げるプラットフォームであり、特に若年層に人気があります。クリエイティブな短編動画を通じて、新しい市場や顧客層を開拓するのに最適です​​。

WhatsApp

インドネシアでは非常に普及しており、ビジネスと消費者間の直接的なコミュニケーションツールとしても利用されています。顧客サービスやマーケティングコミュニケーションに活用できるため、特にパーソナライズされたマーケティング戦略に適しています​​。

YouTube

インドネシアの社会全体で94%の浸透率を誇り、製品の使用方法やレビューなどの情報提供に非常に適しています。多くのインドネシア人がYouTubeを使用して商品について学んでおり、広告やブランディングに有効です​​。

まとめ

訪日インドネシア人の傾向やSNSマーケティングに使用することが出来るSNSについて知っていただけたでしょうか?

外国人観光客には知られてないけどインバウンド需要を取り込みたいといった団体様や企業様もいらしゃると思います。その使用できるのが、チケミーの『TicketMe 海外販売』です。

TicketMe 海外販売について

TicketMe 海外販売では、インバウンド需要を狙うイベント主催者が抱える問題を解決するようにしています。

  1. 訪日外国人への効果的なマーケティング
  2. チケット販売のオンラインシステム/決済手段の提供
  3. 開催日における外国人向けオペレーションのサポート

(1)訪日外国人への効果的なマーケティング

イベント事業者には、海外への効果的なマーケティングを行う人材やノウハウを保有していないなど様々な問題を抱えていると思います。しかし、チケミーでは海外の提携メディアへの、完全成果報酬型広告の出稿等のプロモーション、世界各国の開発パートナーとの連携し、国や地域ににローカライズした上で共通在庫化された販売サイトの提供により、効果的に認知、告知をすることができます。また、完全報酬型であるため、インバウンドを取り込むためのマーケティング費用を最大限まで減らすことができます。

(2)チケット販売のオンラインシステム/決済手段の提供

国々によって人気な決済方法が違っており、イベント主催者が全ての決済方法を導入することは難しいです。TicketMe 海外販売では、訪日外国人でも利用しやすいオンラインチケット販売システムを提供することは勿論のこと、クレジットカードやPayPal、Alipayなど、訪日外国人から人気の高い決済手段も幅広く対応していく方針です。購入から入場まで一貫してオンラインで完結できるシステムのため、訪日外国人やイベント主催者側も両方が利便性の高いシステムを活用することができます。

(3)開催日における外国人向けオペレーションのサポート

イベント主催者にとって外国人の対応をすることが難しい場合があります。しかし、チケミーでは、外国人への対応ができる人材の派遣を行います。これにより、イベント主催者は、外国人参加者への対応にかかる負担を軽減し、安心してイベント運営を行うことができます。

ご興味のある場合は、こちらからご資料を請求していただけると幸いです。

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参考資料