開催日が近づいているのにチケットが売れない。価格の問題か、告知が足りないのか、原因がどこにあるかわからないまま焦りだけが積み重なります。
販売データを見ると、原因が価格にあるケースはほとんどありません。告知が届いているか、出演者が発信しているか、購入導線で離脱していないか——この3点を先に確かめると打ち手が変わります。
価格を下げる前にこの3点を確かめれば、今取るべき打ち手が絞られます。告知の届き方から順に、自分のイベントに当てはめて確認してみてください。
チケットが売れないときに最初に疑うべきこと
SNSに投稿してもリポストもコメントもつかず、文面を書き直したり画像を差し替えたりしても反応が変わらない。こうした状況で多くの主催者がまず価格や需要を疑いますが、告知がそもそも誰に届いているかと、買おうとした人が最後まで進めているかの2点を先に確かめると、手を打つ場所が変わります。
告知が届いていないだけかもしれない
毎日SNSを更新し、文面を直し、画像を変えても、リポストもコメントも増えない。投稿の中身を疑う前に、その投稿が誰に表示されているかを見たほうが早いことがあります。SNSの投稿は、フォロワー全員に届くわけではありません。タイムラインに何を表示するかはアルゴリズムが決めていて、実際に投稿が出るのはフォロワーのごく一部です。
フォロワーが1,000人いても、目に入っているのは数十人ということも起こります。
そのため、何度書き直しても反応が変わらないのは自然なこと。文章の良し悪し以前に、届く母数が小さいだけかもしれません。
もうひとつ見落としやすいのが、告知している場所と、来てほしい層が普段いる場所のズレです。来てほしい人がInstagramを使っているのに告知はXだけ、という状態だと、どれだけ丁寧に書いても読まれません。宣伝期間が短い小劇場の公演だとチケットが10枚前後で止まることもありますが、その手前で、そもそも告知が誰にも見られていない可能性を疑ってみる価値はあるでしょう。
購入までの導線で離脱している
告知が届いて興味を持ってもらえたとして、購入導線でそのまま離脱していることがあります。投稿を見てプロフィールを開いたのに、肝心の販売リンクが見つからない。これだけで、買う気のあった人がそのまま離れます。
もっとも、リンクがあれば安心というわけでもありません。開いたページの読み込みが遅い、購入を決めたのに会員登録を求められる、入力項目が多い。こうした一手間ごとに、買おうとしていた気持ちは急速にしぼみます。
価格を下げる前に、興味を持った人が何回タップで決済まで進めるかを一度自分でたどってみる。詰まりはたいてい、そこに残っています。
告知はどう見直せばいい?
告知を出して数日、購入がゼロのまま画面を見つめて焦る主催者は多いです。発売初日から動くイベントのほうがむしろ少数派で、最初の沈黙はほとんどの公演で起きています。問題は価格でも公演の中身でもなく、告知の出し方と届け先のほうにあるケースがほとんどです。
早く出して焦らず待つ
開催日から逆算して、できるだけ早く出すほど認知が溜まる期間は長くなります。売れ行きを左右するのは、文面の良し悪しより告知の合計到達量。出すのが遅れた分だけ、積み上げる時間も削れていきます。だからこそ告知は早く、そして焦らず待つのが軸になります。
ここで多いのが、認知が溜まる期間を待ちきれず、発売直後に値下げや無料プレゼント企画を打ってしまうケースです。短期で数字を動かそうとした一手が、かえって売れ残り印象を与えてしまいます。一度「埋まっていない公演」という空気が広がると、後から覆すのは難しくなります。
告知を早く出す目的は、初日に売り切ることではなく、開催までの長い時間で認知を積み上げることにあります。待つ部分と動く部分は同居していて、焦って動かすべきは数字ではなく、届け方のほうです。
ターゲットがいる場所で告知する
たとえば音楽ライブで集めたい層がInstagram中心に動いているのに、Xだけで告知を打っていても、肝心の相手までは届きません。発信量が足りないのではなく、出している場所のずれ。それだけのこともあります。
ターゲットがどのSNSを使っているかは、過去に来場した人にアンケートを取れば見えてきます。地域密着型のイベントなら、届く経路はSNSの外にもあるはず。地元のフリーペーパーや地域メディアは、ネットを日常的に見ない層にも紙で届きます。
告知の届け先を整えると同時に、チケットを販売する場所そのものも見直せる場合があります。委託・SaaS・自社直販のどれを選ぶかで、告知と購入の動線は変わります。販売方法ごとの特徴と選び方はこちらで確認できます。
投稿の中身を毎回更新する
同じ内容を何度も流すと、フォロワーのタイムラインで読み飛ばされます。回数を増やすほど効くわけではありません。
たとえば最初の投稿は日程と出演者、次はタイムテーブル、開催が近づいたらチケット残数というように、毎回の投稿で出す情報を入れ替えていきます。投稿のたびに新しい一点が加われば、同じ告知でも前回とは違う理由で目に留まり、読み飛ばされにくくなります。
出演者に告知してもらうには
出演者がSNSで一言告知した日に、止まっていたチケットが動く。同じ文面を主催者のアカウントから流しても、反応はそこまで返ってこない。届く先のフォロワーが違うからです。チケットを最後に押すのは、主催者の宣伝よりも出演者自身の発信です。
だから、出演者がどれだけ発信してくれるかで売れ行きは変わります。とはいえ、出演者が自分から積極的に告知するとは限りません。役への迷いや座組の雰囲気で発信の手が止まることもあり、その温度差はそのまま販売数に出ます。主催者にできるのは、発信のハードルを下げておくことです。
告知用の素材をまとめて渡す
出演者に渡す素材は次の3点です。
- 投稿用の画像
- そのまま使えるコピーのテキスト
- 公演ごとの購入ページへの直リンク
この一式をまとめて渡します。出演者の側で文面を考えたり画像を探したりする手間が省け、投稿までの距離が一気に縮まるからです。
素材が手元にあれば、出演者も投稿しやすくなります。逆に「各自で告知お願いします」とだけ伝えると、何をどう載せればいいか分からないまま日が過ぎていくでしょう。リンク先がトップページだと購入画面までたどり着けず、せっかくの投稿が空振りになりかねません。直リンクは公演ごとの購入ページまで指定しておきます。
発売日・残席・直前の3回に声をかける
告知を依頼するタイミングは、発売日・残席が減ってきた頃・開催直前の3回。この3回はそれぞれ違う層に届きます。
たとえば発売日の告知は、もともと来る気でいたコアなファンに届きます。残席が減ってきた頃の「あと少し」は、迷っていた層に締め切りを意識させる呼びかけ。とはいえ、一度告知しただけでは多くのフォロワーのタイムラインを流れていくだけで終わってしまいます。
開催直前の最後の一押しは、予定が固まってきて改めて検討する層に届くでしょう。同じ出演者の発信でも、声をかける時期で反応する相手が変わります。
価格より先に見直すべきこと
同じ3,000円でも、完売するイベントと一枚も動かないイベントがあります。差は価格帯ではありません。たどっていくと、告知がどこまで届いたか、出演者がどれだけ発信したかに行き着きます。価格を下げる前に確かめる場所が、その手前にあります。
価格が原因で売れることは少ない
売れないと、まず価格を疑います。高すぎたのかと考え、割引やセット販売に手を伸ばす。気持ちはわかります。ただ、販売データをたどると、価格そのものが直接の原因だったケースはほとんど見当たりません。
告知が届いていない相手に、いくら安く見せても反応は変わりません。そもそも案内が目に入っていないからです。安くなったことを知る人がいなければ、値引きは空振りに終わります。
実際に、完売したイベントと動かなかったイベントの差をたどると、行き着くのは告知の到達と出演者の発信です。同じ会場、同じ価格帯でも、ここが違えば売れ行きは割れます。下げるべきは価格ではなく、届かなかった理由のほう。
価格設定の仕組みを変えることで集客を改善しようとする場合は、ダイナミックプライシングの仕組みと注意点を先に確認しておくと判断が整理されます。
購入導線を短くする
買おうと思った人が、買う直前で離れていく。これがいちばん惜しい取りこぼしです。
大阪・関西万博のチケット購入は、万博ID登録、チケット購入、来場予約、パビリオン予約という4段階で進みます。販売数は2025年2月時点で775万枚、目標約1,550万枚の半分程度という規模でした。
実際に、動員力のある催しでも、購入の手順が増えればその途中で手を止める人は出てきます。ステップが多いほど、最後までたどり着く割合は下がる。
確かめるのは三つです。会員登録なしで買えるか。スマホだけで完結するか。決済手段は足りているか。
ここでつまずく設計だと、買う気のあった人まで逃がします。
ただ、この導線は自分では直せません。選ぶプラットフォーム側の設計しだい。チケミーは会員登録なしのスマホ完結で買えて、クレジットカードからQRコード決済まで決済手段をそろえています。使うプラットフォームを選ぶ段階でここを確認しておくと、導線の取りこぼしは減ります。
海外からの需要を取りこぼさない
海外にファンがいるのに、サイトが日本語だけ、決済も国内向けだけだったらどうなるでしょうか。買いたい気持ちはあるのに、決済の段階で手段がなく、そのまま離れていきます。
実際に、多言語表示と海外決済に対応すると、誰かに頼んで代理で買ってもらう手間が消えます。買いたい本人が、自分の手で最後まで買える。チケミーの海外販売はAlipayなど海外QRコード決済にも対応していて、国境で止まっていた需要をそのまま受け取れます。
どのプラットフォームが自分のイベント規模・決済要件に合うかは、手数料と機能の比較で横並びに確認できます。
まとめ
価格を下げる前に、確かめる順番があります。告知は届いているか。出演者は発信に協力してくれているか。購入導線の途中で離脱されていないか。
この三つを、この順で見直します。
価格はほとんどの場合、原因ではありません。同じ席が完売することもあれば、まったく動かないこともある。差を生んでいるのは価格ではなく、その手前の三つです。
最初に疑うのは告知の到達です。毎日SNSを更新していても、必要な人に届いていなければ数字は伸びません。発信の回数ではなく、誰に届いているか。
次が出演者の発信。役者やキャストが動くかどうかで、売れ行きは変わります。本人が告知に乗れる素材を渡せているか、確かめる価値があります。
そして購入導線。買おうと思った人が、何ステップも踏まされて途中で離れていく。チケットを売る側が見落としやすい最後の漏れです。
そのため、値下げの判断はいちばん後で構いません。告知・出演者・導線を整えてもなお動かないとき、はじめて価格を疑います。順番を間違えなければ、打ち手は変わります。
チケミーは、QRコード電子チケットを簡単に発行・販売できるサービスです。会員登録なしのスマホ完結で購入でき、海外決済にも対応しています。購入導線のハードルを下げたい主催者に向いています。
チケット販売サービスの手数料や機能を比較したい主催者には、以下の記事が参考になります。
