コロナウイルスの世界的流行とその後の観光業への影響は、国際的な旅行慣行における大きな転換点となりました。一方で、日本経済における円安は、海外からの旅行者にとって魅力的な要因となっています。特にオーストラリアからのインバウンド需要は、この二つの要因が組み合わさることで、新たな機会をもたらす可能性があります。コロナ後の新しい旅行の形が求められる中で、円安の影響を受ける日本への興味が高まっているオーストラリア市場をターゲットにしたマーケティング戦略をどのように展開すれば良いのか、マーケティング方法などを調査しました。
オーストラリアは、南半球に位置する広大な国で、世界で6番目に大きな国土を持っています。この国は、その独特な地理、生態系、そして文化で有名です。オーストラリア大陸は、幅広い自然環境を有しており、砂漠地帯から熱帯雨林、豊かな海岸線に至るまで多様な風景を楽しむことができます。
国の大部分は乾燥地帯で占められている一方で、シドニー、メルボルン、ブリスベン、パースといった沿岸部に位置する主要都市では、穏やかな気候と活気ある都市生活が楽しめます。オーストラリアは、多文化社会を背景に持ち、イギリスやアイルランドからの移民の影響が強い一方で、アジア、ヨーロッパ、アフリカからの多様な移民も受け入れています。
2019年と2024年の訪日外国人数
国/地域 | 2019 1月 | 2024 1月 | 伸率(%) |
全体 | 2,689,339 | 2,688,100 | 0.0% |
韓国 | 779,383 | 857,000 | +10.0% |
中国 | 754,421 | 415,900 | -44.9% |
オーストラリア | 81,063 | 103,600 | +27.8% |
タイ | 92,649 | 90,600 | -2.2% |
シンガポール | 22,676 | 34,100 | +50.4% |
マレーシア | 31,399 | 32,100 | +2.2% |
なぜオーストラリア人は日本を訪れるのか
オーストラリア人が日本を訪れる理由にはいくつか理由があります。それについて詳しく説明します。
日本の文化に対する関心
オーストラリアでは日本の伝統文化や現代文化に対する関心が非常に高く、実際に日本を訪れて体験したいという気持ちが強いです。古い歴史ある神社仏閣、芸術、武術、伝統工芸品など、オーストラリアにはない魅力に惹かれます。また、アニメやマンガ、ゲーム、J-POPなどの日本のポップカルチャーにも熱狂的な支持者が多数います。
自然や景勝地の魅力
日本の美しい自然や景勝地にも注目が集まっています。富士山をはじめとする名山、温泉地、渓谷などの景勝地が人気です。オーストラリアとは異なる日本の風景に魅力を感じているのです。
食文化の体験
和食の味と品質の高さは世界的にも評価が高く、オーストラリア人も寿司、天ぷら、お蕎麦などの日本料理を是非体験したいと考えています。
買い物の魅力
日本の高品質な製品や、ファッション、工芸品、キャラクターグッズなどが人気を博しています。日本での買い物を楽しみにしている人も多いでしょう。
旅行の安全性
日本は世界的にも非常に治安が良く、安心して旅行できるということも魅力の一つです。
地理的な近接性
オーストラリアから日本までの距離が比較的近く、旅行がしやすいことも一因となっています。
オーストラリア人の訪日の傾向
訪日するオーストラリア人観光客は、平均的に他の市場の旅行者と比較しても消費額が高く、また滞在期間も長いという特徴を持っています。彼らは長距離の旅行にも慣れており、そのため訪日時の消費をさらに増やす機会があります。オーストラリアからの新規訪問者とリピーター双方にとって、スキー、豊かな自然、地元の食文化などは特に人気の高いコンテンツです。これらの魅力的な観光情報を地方の魅力と組み合わせて提供することで、訪日旅行者の数を増やすことができます。さらに、SDGsやサステナブル・ツーリズムへの関心が高まる中、これらの価値を重視したプロモーション活動を展開することが、訪日オーストラリア人観光客を引き寄せ、満足させる鍵となります。これらの取り組みにより、持続可能で価値ある訪日体験を提供し、日本への観光促進に貢献することが期待されます。
ターゲット層について
- 20~40代 夫婦・パートナー FIT C 20~30代 一人旅行 FIT
- 30~40代 家族(子連れ)
- 50代以上 世帯可処分所得上位 40% (1,000万円/年以上)
サブターゲット層について
- クルーズ関心層
- スポーツ関心層 アウトドア・アクティビティ関心層
ターゲットグループ | 主な訴求パッション 観光コンテンツ・アクティビティ | ターゲット攻略のための留意事項 | BtoBの取り組み | BtoC/BtoBtoCの取り組み |
20~40代 夫婦・パートナー FIT | 食・お酒 • ローカルフード 豊かな自然 • 風景 • ハイキング アウトドア・アクティビティ • ハイキング • スキー・スノボ | • 文化・歴史的な体験の消費 単価が高いため、自然や食と 組み合わせた新たな魅力を 発信。 • 地方の人気が高いため、地 方の魅力を発信。 • 旅行会社を通じた情報収集 の割合が多いため、BtoBの 取組として商談会を重視 | ②旅行博・商談会 ⑨セミナー・ネットワーキン グイベント (メディア・旅行関係 者) ⑩人材育成 ⑪旅行会社招請 ⑬その他(ニュースレ ター) | ①インターネット (WEB・SNS) ③広告 ④旅行博・イベント ⑤PR(広報) ⑥メディア招請 ⑦共同広告 ⑧インフルエンサー招請 ⑫その他(ニュースレ ター) |
30~40代 家族(子連 れ) | テーマパーク • テーマパーク 伝統文化・芸能 • 伝統行事・祭体験 豊かな自然 • 風景 • 庭園・花 | • 「暮らし体験・交流」の消費 単価が高いため、強みである 自然と組み合わせて発信。 • 地方の人気が高いため、地 方の魅力を発信。 • 旅行会社を通じた情報収集 の割合が多いため、BtoBの 取組として商談会を重視。 • 初等・中等教育での日本語 学習者が多いため、訪日教 育旅行にも留意。 | ②旅行博・商談会 ⑨セミナー・ネットワーキン グイベント (メディア・旅行関係 者) ⑩人材育成 ⑪旅行会社招請 ⑬その他(ニュースレ ター) | ①インターネット (WEB・SNS) ③広告 ④旅行博・イベント ⑤PR(広報) ⑥メディア招請 ⑦共同広告 ⑧インフルエンサー招請 ⑫その他(ニュースレ ター) |
20~30代 一人旅行 FIT | 食・お酒 • ローカルフード 豊かな自然 • 風景 • ハイキング 暮らし体験・交流 • 修行・宿坊体験 • 伝統行事・祭体験 | • 地方の人気が高いため、 地方の魅力を発信。 • 一方で「大都市」、「サブカ ルチャー」も人気のパッショ ン。 | ②旅行博・商談会 ⑨セミナー・ネットワーキン グイベント (メディア・旅行関係 者) ⑩人材育成 ⑪旅行会社招請 ⑬その他(ニュースレ ター) | ①インターネット (WEB・SNS) ③広告 ④旅行博・イベント ⑤PR(広報) ⑥メディア招請 ⑦共同広告 ⑧インフルエンサー招請 ⑫その他(ニュースレ ター) |
50代以上 世帯可処分所得 上位40% (1,000万円/年 以上) | 食・お酒 • ローカルフード • ミシュラン店 歴史・遺跡 • 遺跡・街並 豊かな自然 • エコツアー • ラグジュアリーホテル | • 旅行会社を通じた情報収 集と旅行予約の割合が多 く、BtoBの取組として商談 会及び旅行会社招請を 重視。 | ①旅行博・商談会 ③旅行会社招請 ⑧セミナー・ネットワーキン グイベント (メディア・旅行関係 者) ⑩人材育成 ⑫その他(ニュースレ ター) | ②インターネット (WEB・SNS) ④PR(広報) ⑤メディア招請 ⑥共同広告 ⑦広告 ⑨インフルエンサー招請 ⑪その他(ニュースレ ター) |
マーケティングに使用できるSNSについて
オーストラリア人が使用しているSNSとして、以下の5つが特に重要で、マーケティング活動に最適なプラットフォームとして挙げられます。
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- 紹介: Facebookは、世界最大のソーシャルネットワーキングサービスで、ユーザーは個人プロフィールを作成し、友人や家族と写真や更新情報を共有することができます。
- 利用理由: オーストラリア人は、友人や家族とのつながりを維持するため、または興味関心が合うコミュニティに参加するためにFacebookを使用しています。マーケティングにおいては、ターゲット層を細かくセグメント化し、精密なターゲティング広告を実施できるため、集客に非常に有効です。
![](https://lab.ticketme.co.jp/wp-content/uploads/2024/02/image-26-1024x536.png)
- 紹介: Instagramは、写真や動画を中心としたソーシャルネットワーキングアプリで、美しいビジュアルコンテンツの共有が特徴です。
- 利用理由: ビジュアルコンテンツに強い関心を持つオーストラリア人に人気で、特に旅行、ファッション、フードなどのカテゴリが盛んです。インフルエンサーマーケティングやビジュアルを用いたブランディングに最適なプラットフォームです。
YouTube
![](https://lab.ticketme.co.jp/wp-content/uploads/2024/02/スクリーンショット-2024-02-22-20.36.58-1024x488.png)
- 紹介: YouTubeは、ユーザーが動画をアップロード、共有、視聴できる世界最大のビデオ共有プラットフォームです。教育からエンターテインメント、ハウツー動画まで、あらゆるジャンルのコンテンツが存在します。
- 利用理由: 豊富なコンテンツと広範なオーディエンスを持つYouTubeは、オーストラリア人にとって重要な情報源の一つです。ブランドビデオ、製品レビュー、チュートリアルなどを通じて、深いエンゲージメントを生み出し、長期的な顧客関係を築くのに最適です。
X(旧Twitter)について
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- 紹介: Twitterは、短いテキストメッセージ(ツイート)を投稿することに特化したソーシャルメディアプラットフォームです。リアルタイムの情報共有と公開討論が特徴です。
- 利用理由: ニュース、スポーツ、政治など、最新の情報を追いたいオーストラリア人に人気です。瞬時に情報を拡散できるため、イベントやキャンペーンのプロモーションに適しています。
TikTok
![](https://lab.ticketme.co.jp/wp-content/uploads/2024/03/image-17-1024x534.png)
- 紹介: TikTokは、短い動画を共有するプラットフォームで、エンターテインメント性の高いコンテンツが多く、若年層を中心に急速に人気を集めています。
- 利用理由: 創造性とエンターテインメントを求めるオーストラリアの若者に特に人気で、ブランドのバイラルマーケティングや若年層へのアプローチに最適です。
訪日オーストラリア人にサポートすべきこと
オーストラリア人の訪日客へのサポートとして、以下の点に配慮することが重要です。
英語対応の充実
オーストラリアの公用語は英語です。英語での正確な情報提供やコミュニケーションが不可欠です。観光案内所や主要施設での英語対応スタッフの配置、パンフレットや案内表示の英語化が求められます。言葉の壁を取り除き、スムーズな意思疎通を図ることが旅行の満足度を大きく左右するからです。
オーストラリア人向けグルメ対応
オーストラリア人は日本食を高く評価していますが、一方でオーストラリア料理にも愛着があります。日本で母国の味が楽しめるよう、オーストラリア料理の提供や、オーストラリア人シェフの起用なども検討する必要があります。旅先で母国の食文化に触れられることで、満足度が格段に上がるはずです。
ショッピングサポートの拡充
オーストラリア人は日本の高品質な製品や、キャラクターグッズなどを買い求めに来ます。免税店の充実や両替所の増設、荷物の一時預かりサービスなど、ショッピングを助ける環境を整備することが大切です。ショッピングがストレスなく楽しめることで、リピーターの獲得にもつながります。
自然体験ツアー企画の強化
オーストラリア人は日本の自然や景勝地にも大きな関心を寄せています。日光東照宮や富士山、秩父など人気の自然ツアーを企画するだけでなく、ガイドの英語対応やアクセス環境の整備なども重要です。オーストラリアにない独特の自然体験ができる環境づくりが欠かせません。
文化体験プログラムの充実
伝統芸能や工芸、武術、書道などの体験プログラムを用意し、日本文化に触れる機会を設けることも求められます。単なる見学にとどまらず、体験を通じて文化に深く浸ることができる環境作りが不可欠です。オーストラリア人の興味や関心に応えられるプログラムが重要になります。
インバウンドチケットを販売するために
海外に向けてインバウンドチケットを販売する方法にチケミーがおすすめです。
TicketMe について
![](https://lab.ticketme.co.jp/wp-content/uploads/2024/03/image-1024x538.png)
TIcketMeは日本初のNFTチケットプラットフォームです。暗号資産を使わずに、日本円などを使用して取引ができます。TicetMeの特徴は、不正転売を防ぐことができる点と2時流通が起きた際に2次流通の1部が主催者に支払われる点です。これまでは転売されても主催者側にはメリットはありませんでしたが、TicketMeではメリットは少なからずあります。また、2次流通の価格上限を主催者側が設定できるため、チケットの代金の高騰を防ぐことも可能です。これまで、ホリプロや東宝、梅芸、パルコなどの大手企業も導入しています。
TicketMe 海外販売では、チケットを海外の人に向けての販売システムやその他サポートを提供します。以下のものが提供するものです。
- 訪日外国人への効果的なマーケティング
- チケット販売のオンラインシステム/決済手段の提供
- 開催日における外国人向けオペレーションのサポート
(1)訪日外国人への効果的なマーケティング
イベント事業者には、海外への効果的なマーケティングを行う人材やノウハウを保有していないなど様々な問題を抱えていると思います。しかし、チケミーでは海外の提携メディアへの、完全成果報酬型広告の出稿等のプロモーション、世界各国の開発パートナーとの連携し、国や地域ににローカライズした上で共通在庫化された販売サイトの提供により、効果的に認知、告知をすることができます。また、完全報酬型であるため、インバウンドを取り込むためのマーケティング費用を最大限まで減らすことができます。
(2)チケット販売のオンラインシステム/決済手段の提供
国々によって人気な決済方法が違っており、イベント主催者が全ての決済方法を導入することは難しいです。TicketMe 海外販売では、訪日外国人でも利用しやすいオンラインチケット販売システムを提供することは勿論のこと、クレジットカードやPayPal、Alipayなど、訪日外国人から人気の高い決済手段も幅広く対応していく方針です。購入から入場まで一貫してオンラインで完結できるシステムのため、訪日外国人やイベント主催者側も両方が利便性の高いシステムを活用することができます。
(3)開催日における外国人向けオペレーションのサポート
イベント主催者にとって外国人の対応をすることが難しい場合があります。しかし、チケミーでは、外国人への対応ができる人材の派遣を行います。これにより、イベント主催者は、外国人参加者への対応にかかる負担を軽減し、安心してイベント運営を行うことができます。
導入の流れ
「TicketMe 海外販売」の導入は、以下の流れで進めることができます。
①事前登録
以下の事前登録用のページからお問い合わせしてください。
https://ticketme.co.jp/contact/oversea
②ご相談・カスタマイズ
事業主様、配券担当者様との初回ミーティングを通じて、お客様のニーズやイベントの特性を把握し、最適なサービスを提案いたします。具体的には以下の中からお客様に必要なものを組み合わせます。
・基本機能(電子チケット販売、外国人向け決済手段の提供、二次流通コントロール機能)
・イベント詳細内容の英語対応
・海外のチケミー提携メディアへの、完全成果報酬型広告の出稿等のプロモーション
・共通在庫化した上で、国や地域にローカライズされた販売サイトでの販売
・開催日における外国人向けオペレーションのサポート
③ご導入の決定
ご相談の上で提案にご満足いただけましたら、基本的な契約手続きに移ります。契約書の取り交わしと同時に、専属の担当者がお客様にアサインされ、円滑なサービス提供のための調整が始まります。
④マーケティング戦略の立案
チケミー社の海外販売の専門家チームが、お客様のイベントに適したマーケティング戦略を立案します。提携メディアへのプロモーションや、国や地域にローカライズされた販売サイトでの販売など、訪日外国人にアプローチするための戦略が具体的に定められます。
⑤外国人向けオペレーションの計画
開催当日の外国人向けオペレーションをサポートするため、必要な人材やサービスを計画します。これには、外国人向けの入場受付や会場案内、トラブル対応などが含まれ、円滑なイベント運営のための体制が整います。
⑥トライアル運用
システムの運用や外国人向けサポートの一部をトライアル運用し、問題がないか確認します。トライアル運用の段階では、必要に応じて微調整を行い、サービスが円滑に提供できるよう最終調整を行います。
⑦本格運用開始
すべての段階が順調に進んだ場合、本格的な運用を開始します。「TicketMe 海外販売」のサービスを通じて、訪日外国人を効果的に引き込みながら売り上げを最大化し、主催者様は安心してイベントに集中できるようになります。
ご興味のある場合は、こちらからご資料を請求していただけると幸いです。
まとめ
オーストラリア人を集客するためのマーケティング方法や訪日オーストラリア人が求めていることについて知れたでしょうか?訪日チケットラボでは様々な国々からのインバウンド需要の取り込み方について解説しています。ぜひご覧になってください。
参考資料
株式会社チケミー | イベント業界で急拡大するインバウンド需要取り込みのための、海外向け電子チケット販売サービス「TicketMe 海外販売」の事前登録を開始。
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001617167.pdf