ライブ会場で関係者席と書かれたエリアを見かけたり、SNSで関係者席からの写真が流れてきたりすると、どんな人が座っているのか気になります。

チケット販売プラットフォームを運営していると、主催者から関係者席の設計について相談を受けます。一般のファンからは見えにくい、関係者席の実態が見えている立場です。

関係者席は一般のチケット販売とは別の枠で配られる座席で、ファンの抽選当落には影響しません。

誰が座れるのか、コネチケや余った枠が当日券として放出される仕組みをあわせて確かめてみてください。

関係者席とは

関係者席のチケットには、御招待のスタンプが押されています。料金欄は空白で、お金を払って入る列とは最初から流れが分かれています。

専用の入口で名簿と照合され、確認が取れた人だけが中へ通されます。誰が座る席なのか、当日どう入場するのか、よく混同される招待席やVIP席との違いはどこにあるのでしょうか。

ライブやコンサートの関係者席

関係者席に座る顔ぶれは、イベントごとに入れ替わります。アーティストの家族、所属事務所のスタッフ、スポンサー企業の担当者、メディア関係者。同じ会場でも公演が変われば、座っている人の属性はまるで違います。

この席は、正規のチケット抽選とはルートが完全に分かれています。一般の客が申し込む抽選とは別に、主催者やアーティスト側が自分の手元に持っている招待枠から配られる席です。

だから、抽選に申し込んだ人の当落とは関係なく動きます。座る場所も固定で、自分では選べません。アリーナの中央なのか、2階の決められた一画なのかは、イベントの規模と会場の構造で先に決まっています。

もっとも、あてがわれるのは見やすさを確保した区画が多く、近い席を期待して足を運ぶと位置が違うと感じます。

当日の受付から入場までの流れ

当日は、一般の入場列を横目に、空いている関係者専用の受付へ向かいます。受付で組織名と自分の名前を名乗ると、係員が関係者名簿を確認します。名前が見つかれば、そのまま中へ通されます。

そこから先の案内は会場のつくり次第。椅子が並ぶホールなら関係者席へ、オールスタンディングの会場なら関係者用のスペースへ通されます。

ただし、名簿に名前がなければ入場できません。チケットの半券をもぎるのではなく、当日その場で名簿と本人を照合するのが前提だからです。招待の連絡を受けていても、名簿に反映されていなければ受付から先には進めません。

一般のライブ・コンサートでも本人確認が求められる場面が増えています。使える身分証や忘れたときの対処法は下記で解説しています。

ライブ・コンサートの本人確認|使える身分証と忘れたときの対処法

招待席やVIP席との違い

関係者席とよく混同されるのが、招待席とVIP席です。招待席は、メディアの試写やスポンサー接待など、プロモーションを目的に配られる席。出演者との個人的なつながりで配られる関係者席とは、配る相手が違います。

一方で、VIP席はお金を払えば誰でも買えます。ステージに近い座席や専用ラウンジの利用がセットになった有料チケットで、一般販売されている枠だからです。招待制で料金が発生しない関係者席とは、入手のルートが根本から違います。

関係者席はどこにある?

大型会場では、1階スタンドと2階スタンドの間にあるバルコニー席が関係者席に充てられます。ここは一般席とは入退場の動線が分かれていて、関係者は専用の入口から会場に入ります。会場の規模やつくりによって位置は変わりますが、アリーナ・ドーム・ホール・ライブハウスのそれぞれで、関係者席が置かれやすい場所はある程度決まっています。

アリーナやドーム会場の関係者席

アリーナやドームでは、1階スタンドと2階スタンドの間に渡されたバルコニー席が関係者用になります。ステージ正面のやや後方にあたり、会場全体を端まで見渡せる位置。ドリンクホルダーやテーブルが付いていて、シートの幅も一般席より広めにとられています。

座り心地は良くても、観覧のスタイルは一般席とは違います。たとえばペンライトを振りながら立ち上がって声を出す雰囲気ではなく、着席したまま見るのが基本です。入場も一般客とは別で、関係者入口から会場に入ります。

東京ドームの関係者席はどこか

東京ドームの関係者席は、関係者のなかでも立場によって座る場所が変わります。芸能人やスポンサーの幹部クラスが通されるのは、ザ・スイート東京と呼ばれるVIPルーム。

そのため、それ以外の関係者が案内されるのは、プレミアムラウンジ付近に設けられたバルコニー席です。フィールドを正面から見下ろせる位置にあり、ここがいわゆる関係者席にあたります。

座席番号は一般に公開されていません。興行ごとに使う区画が変わることもあり、外から特定できる形にはなっていません。立場の違いがそのまま座る場所の違いに表れるのが、東京ドームの特徴です。

さいたまスーパーアリーナの関係者席はどこか

ステージに近い席が関係者に割り当てられるかというと、そうではありません。さいたまスーパーアリーナで確保されるのは、1階と2階の間に設けられたバルコニー席です。

たとえば300レベルと呼ばれる1階バルコニー席。1階と2階の間に位置するフロアで、ステージ全体を正面から見渡せる高さにあたります。最前列で出演者を間近に見る席ではなく、会場の全体像をつかみやすい場所です。

ホールやライブハウスの場合

ホールでは、2階席の最後列や端の席が関係者席に充てられます。選ばれるのは、一般客の視界を遮らない位置。

もっとも、ライブハウスになると固定の関係者席エリアはほとんどありません。音響を調整するPA卓の周辺に立つか、バーカウンター付近にスペースが設けられる程度です。会場が小さいほど、決まった関係者席という形は取りにくくなります。

関係者席に座るのはどんな人?

自分も入れるのかと気になる人は多い。座っているのは大きく分けて、仕事で関わるビジネス枠、出演者の家族や知人、そして個人的な繋がりで招かれた人です。

スポンサーや業界関係者

関係者席にビジネスとして関わるのは、協賛企業の担当者や広告代理店のスタッフです。テレビや雑誌の取材クルーが入ることも。たとえば公演を金銭的に支える出資社や協賛社、運営会社の社員、会場運営元の社員まで含めると、関係者の顔ぶれは出演者の身内だけにとどまりません。

こうしたスポンサー枠は主催者が管理し、アーティスト本人の招待枠とは別に確保される仕組みです。スポンサー枠とは別に、主催者の判断で同じ事務所のタレントや交流のある芸能人を招く場合もあります。

出演者の知人や家族

出演者が家族や知人を呼ぶとき、事務所から招待枠が割り当てられます。マネージャーがそれを取りまとめ、関係者名簿を主催者に提出する流れ。

枠の数は公演の規模で大きく変わります。会場が小さければ数えるほどの枚数で、大型会場になるほど招待できる人数が増えます。ドームとライブハウスでは桁が違い、主催者の規模や事務所の方針によっても差があります。

実際に、この席を動かすのは事務所です。アーティストが家族や世話になった人を呼びたいと伝えれば、事務所が席を手配します。チケットをそのまま融通した場合は、ほかの客と同じ一般席になります。

一般人が関係者席に招待されるケース

ホールツアーで座席が余り、コンサートのアルバイトに招待の案内が回ってきた例があります。世間に名前が知られていても集客力が高くないアーティストの公演で起こりやすいです。ですが、これは席が余ったときの特例にすぎません。個人的な繋がりがない人が、応募して関係者席を当てるルートはありません。

とはいえ純粋な一般ファンが関係者席に座る経路は、出演者との個人的な繋がりに限られます。学生時代の友人、音楽活動を始める前からの知人、仕事で共演したことがある人。こうした相手が、本人の招待枠を使って招かれます。

ファンクラブの抽選やSNSの応募で関係者席が配られることはありません。これらは正規販売と同じ枠であり、関係者枠とは経路が完全に分かれています。

関係者席でのマナー

招待された側がまず守るのが撮影の禁止です。写真や動画は禁止のケースがほとんどで、SNSへの投稿も控えるのが暗黙のルールになっています。座席番号がSNSで拡散され、特定されて炎上することもあります。

関係者席は注目される席です。一挙一動が周りから見られるため、ファングッズを出すとコネで潜り込んだと思われ、反感を買いやすくなります。派手に痛バやペンライトを振る行為も、招かれた側ほど避けるのが無難。

コネチケとは

コネチケという言葉は、正規ルートで申し込んで当落に一喜一憂してきたファンほど耳にしてきたはずです。SNSで関係者席からの写真が流れてくるたびに、自分の手元には来ないチケットの存在が気になります。ただ、余剰枠が当日券として放出される仕組みを知ると、コネがなくても関係者エリア相当の席に座れる方法が見えてきます。

コネチケの仕組み

コネチケはコネクション・チケットの略で、正規の先行販売や一般販売を経由しないチケットを指します。抽選にも先着にも並ばず、人とのつながりで手に渡る席です。配る側は出演者本人やマネージャー、事務所スタッフ、番組制作のスタッフなどです。

なお、コネチケも関係者席の招待枠に含まれます。受付で名簿と照合される流れは通常の関係者席と同じで、専用の特別ゲートを通るわけでもありません。

その枠が誰の手に渡るかは、外から見えません。出演者が本人の判断で旧友に渡すこともあれば、事務所が宣伝を狙ってインフルエンサーに渡すこともあります。配る人の立場が変われば、席の行き先も変わってきます。

抽選や先着という正規ルートの仕組みは、コネチケとは入手経路が完全に別です。先着販売の仕組みと準備方法は下記で解説しています。

チケット先着販売とは?仕組みと前日までに済ませる準備を解説

余った関係者枠が当日券になる仕組み

関係者の来場人数は、公演の直前まで確定しません。偉い立場の人ほど予定が読めず、誰が何人で来るのか当日まで分からない。運営は座席を組む最初の段階で、これくらいあれば困らないという余裕を見て関係者の枠を押さえます。

そのため、アバウトに確保した枠は当然ながら余ります。余った席は抽選先行の当選数に回されたり、一般発売に合わせて売られたり。直前になると、制作開放や機材開放、当日券という形で一般に放出されることも多くあります。機材の都合で本当に開放される席も混ざるため、当日券といっても出処はさまざまです。

ここがコネのない一般ファンが関係者エリア相当の席に正規で座れる経路です。コネを探したり頼んだりするより、放出される当日券を狙うほうが手が届きます。同伴者についても、お連れ様の身元まで厳密に確認している公演は稀です。当日券を取った人がそのまま隣に座る席へ案内される、ということも起こり得ます。

当日券で入場する際は電子チケットが使われる場合も多く、QRコードの操作手順を事前に把握しておくと当日慌てません。入場の流れは下記で解説しています。

QRコード電子チケットとは?使い方や入場の流れなど解説

関係者席はずるいと言われる背景

ファンクラブに何年も入って抽選に申し込んでも当たらない。それなのにSNSを開けば、関係者席からの写真が流れてくる。この落差が、ずるいという言葉の出どころです。

人気公演はチケットの争奪戦で、お金も時間もかけてやっと一席を取る人がいます。招待で入る人は、その争奪戦をシードで勝ち上がっているように見えます。

主催者の側に立てば、事情は別です。スポンサーを招待しなければ協賛が得られず、メディアを招待しなければ宣伝の場がなくなる。関係者席は運営を回すために要る席です。

それでも、ファンが最も引っかかるのは配布の基準が外から見えないことです。誰がどんな理由で招かれたのか、説明されることはありません。一方で、関係者枠が一般販売やファンクラブの当落に食い込むことはなく、自分の抽選結果がそのせいで変わるわけではありません。

まとめ

一般ファンがコネなしで関係者エリア相当の席に座れる方法は、余剰枠が放出された当日券だけです。ドーム公演でも余裕枠は存在し、公演直前に制作開放や当日券として出ることがあります。そのため、当日会場に足を運ぶことに意味がないわけではありません。

ステージに近い席や特典付きの体験を求めるなら、一般販売で買えるVIP席を選択肢に入れておくとよいでしょう。VIPチケットの価格帯・特典の内容・購入できるイベントの種類を下記でまとめています。

VIPチケットの導入ガイド!価格設定・特典・販売システムの決め方を解説

チケット販売の仕組みや主催者側の視点については、以下の記事が参考になります。

プレイガイドとは?仕組み・主要サービス・手数料の実態をやさしく解説