イベントを企画する際、「チケット販売手数料が思ったより高くて、利益を圧迫してしまう…」と悩んでいませんか?数多くのチケット販売サービスを前に、「手数料を比較しているけれど、どのサービスが自分のイベントに本当に合っているのか分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、チケット販売手数料の仕組みといった基本的な知識から、手数料以外に必ず比較すべき重要なポイント、販売サービスの特徴までを分かりやすく解説します。

チケット販売手数料はなぜ必要なのか
チケット販売における手数料は、イベント主催者にとって避けて通れないコストでありながら、その必要性や内訳について理解されていないケースが多いのが実情です。手数料率が売上の10〜20%に達することも珍しくなく、イベントの収益性に直接影響を与える重要な要素となっています。
しかし、これだけ手数料を高くても実際にはプレイガイド側へ実際に入る収入というのは僅かでしかありません。2016年〜2020年のぴあの営業利益は0~1%、利益が10億円とほぼ慈善活動的な水準でした。
なぜ10〜20%もとっているのに、利益が稼げていないのでしょうか。これらについて見ていきましょう。
サーバーや販売システムの運用・管理コストを賄うため
チケット販売システムの根幹を支えるサーバーインフラには、想像以上に膨大なコストがかかっています。人気アーティストのチケット発売開始時には、数十万人が同時にアクセスすることも珍しくありません。この瞬間的な大量アクセスに耐えうるサーバー環境を構築し、維持するためには、相当な投資が必要になります。
実際のところ、弊社でもクラウドサービスの利用料だけでも恐ろしいほどの費用がかかり、利益が減少する一番の要因となっています。
さらに、システムの開発・改修コストの発生や決済方法の多様化に対応するための機能追加、スマートフォンアプリの開発と更新、ユーザーインターフェースの改善などのニーズに応じた投資にも資金が必要なため手数料が高くなっています。
チケット印刷、電子発券など発券コスト
チケットの発券にかかるコストは、紙チケットと電子チケットで大きく異なりますが、どちらも費用が発生します。紙チケットの場合、偽造防止のための特殊印刷技術が必要で、ホログラムや特殊インク、透かし印刷などの技術を組み合わせることで、1枚あたり50〜200円程度のコストがかかることもあります。
印刷だけでなく、配送コストも大きな負担となります。簡易書留での郵送を選択した場合、1件あたり400円以上の送料が発生し、これに封筒代や梱包作業の人件費が加わります。年間数百万枚のチケットを扱う大手プレイガイドでは、配送センターの運営費だけでも年間数億円規模に達します。
電子チケットの普及により印刷・配送コストは削減できると思われがちですが、実際には新たなコストが発生しています。電子発券システムの開発には初期投資として数千万円から数億円が必要で、さらに継続的なシステムメンテナンスやセキュリティアップデートが欠かせません。QRコード生成システム、入場時の認証端末、スマートフォンアプリの開発・運用など、デジタル化に伴う投資は決して小さくありません。
コンビニや外部委託先への手数料の支払いのため
コンビニエンスストアでのチケット販売は、購入者にとって便利な一方で、運営側には相応のコストが発生します。セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなど、各チェーンとの契約には、基本契約料に加えて、端末利用料、決済手数料、メンテナンス費用などが含まれます。
コンビニ端末での販売1件あたり、店舗側に支払われる手数料は通常100〜300円程度で、これに加えて月額の基本料金や売上に応じた歩合手数料が発生することもあります。全国に数万店舗あるコンビニネットワークを活用するためには、年間で数十億円規模の手数料支払いが必要となり、この費用は最終的に消費者が負担する手数料に転嫁されています。
さらに、決済代行会社への手数料も無視できません。クレジットカード決済の場合、売上の3〜5%程度が決済手数料として差し引かれ、さらに不正利用対策のためのセキュリティシステム利用料、チャージバック対応費用なども発生します。最近では、PayPayやLINE Payなどのキャッシュレス決済への対応も必要となり、各サービスとの契約料や手数料が追加されています。
サポート体制、人件費の確保のため
チケット販売において、購入者からの問い合わせ対応は想像以上に大きな負担となっています。購入方法がわからない、決済エラーが発生した、チケットを紛失したなど、日々さまざまな問い合わせが寄せられ、これらに適切に対応するためには、専門知識を持ったスタッフを十分に配置する必要があります。
そのスタッフを教育するための教育研修費や管理システムの運用費、電話回線費用などを含めると、サポート体制の維持には莫大なコストがかかっています。特にイベント当日のトラブル対応では、緊急対応チームを配置する必要があり、休日・深夜の割増賃金も発生します。
メールやチャットでのサポートも増えていますが、これらのチャネルも人的リソースが必要です。AIチャットボットの導入により一部の問い合わせは自動化できるようになりましたが、複雑な問い合わせには依然として人間の対応が必要で、むしろ複数のサポートチャネルを維持することでコストが増大している側面もあります。
不正転売対策などセキュリティを強化するため
チケットの不正転売は、音楽業界全体で年間数百億円規模の被害をもたらしているとされ、その対策には相当なコストと技術投資が必要です。転売ヤーによる大量購入を防ぐため、購入時の本人確認システム、電話番号認証、顔認証技術の導入など、さまざまな対策が講じられています。
本人確認システムの構築と運用には、個人情報保護法に準拠したデータ管理体制が必要で、セキュリティ監査、暗号化システム、アクセス制御などにも投資が行われています。さらに、マイナンバーカードとの連携システムの開発、顔認証技術のライセンス料、生体認証端末の導入費用なども加わり、セキュリティ関連の投資は年々増加しています。
チケット販売サービスに含まれるサービス
チケット販売サービスは単なる決済代行だけでなく、イベント運営を総合的にサポートする多様な機能を提供しています。手数料の対価として受けられるサービス内容を正確に理解することで、コストパフォーマンスの高いサービス選択が可能になります。各プラットフォームで提供される機能には違いがあり、イベントの規模や性質に応じて必要なサービスを見極めることが重要です。
チケットの作成・販売・発券の機能
チケット作成から発券まで、一連のプロセスを簡単に管理できるシステムが提供されています。従来は印刷会社への発注や在庫管理など煩雑な作業が必要でしたが、現在のプラットフォームではWeb上で数分程度でチケット販売を開始できるようになっています。
座席指定機能では、会場の座席表をビジュアルで表示し、購入者が希望の席を選択できる仕組みを提供しています。東京ドームのような大規模会場でも、5万席すべての座席を個別に管理し、重複販売を防ぐシステムが稼働しています。さらに車椅子席や見切れ席など、特殊な座席カテゴリーの設定も可能で、料金も席種ごとに細かく設定できます。
販売期間の設定も柔軟に対応できます。先行販売、一般販売、当日販売など複数の販売フェーズを設定し、それぞれ異なる価格や購入条件を設けることが可能です。抽選販売機能も標準装備されており、申込期間の設定から当選発表、決済期限の管理まで自動化されています。
販売状況・売上のリアルタイム管理・集計
管理画面では販売状況をリアルタイムで確認でき、売上推移や残席数を瞬時に把握できます。この機能により、販売戦略の即座の修正が可能となり、完売見込みの判断や追加公演の検討など、迅速な意思決定を支援します。
売上データは自動的に集計され、日別、週別、月別のレポートが生成されます。チケット種別ごとの売上比率、購入者の属性分析、決済方法の内訳など、詳細な分析データが提供され、エクセルやCSV形式でのダウンロードも可能です。経理処理に必要な明細書も自動生成され、確定申告や税務処理の負担を大幅に軽減します。
複数公演を同時に管理する場合でも、横断的な売上分析が可能です。公演ごとの売上比較、曜日別の販売傾向、時間帯別の購入パターンなど、マーケティングに活用できるデータが蓄積されます。これらのデータは次回のイベント企画時に貴重な参考資料となり、適切な価格設定や販売戦略の立案に役立ちます。
来場者(顧客)情報・購入履歴の管理や分析
購入者データベースの構築と管理機能により、リピーター獲得や顧客満足度向上のための施策が可能になります。氏名、年齢、性別、居住地域などの基本属性に加え、購入履歴、来場頻度、平均購入単価などのデータが自動的に蓄積されます。
購入履歴分析では、特定のアーティストやジャンルへの嗜好性、価格帯別の購入傾向、同伴者の有無など、詳細な顧客インサイトを得ることができます。これらのデータを活用して、ターゲティング広告の配信、パーソナライズされたレコメンドなど、効果的なマーケティング施策を展開できます。
割引チケット・クーポンの発行機能
柔軟な価格戦略を実現する割引機能が充実しています。早割、学割、団体割引など、さまざまな割引パターンを設定でき、条件に応じた自動適用も可能です。プロモーションコードを発行して特定の顧客層にのみ割引を提供することで、効果的な集客施策を展開できます。
また、バンドル販売機能も提供されており、複数公演のセット券、グッズ付きチケット、VIP体験付きチケットなど、付加価値の高い商品設計が可能です。これにより客単価の向上と顧客満足度の両立を図ることができます。
本人認証・QRコードもぎりなどの入場管理
QRコードによる入場管理では、専用アプリや読み取り端末を使用して、1人あたり3秒程度でスムーズな入場処理が可能です。偽造防止のため、QRコードは定期的に更新され、スクリーンショットでは入場できない仕組みになっています。入場済みのチケットは即座にシステムに反映され、重複入場を防いでいます。
時間指定入場にも対応しており、密集を避けるための分散入場や、VIP客の優先入場など、きめ細かな入場コントロールが可能です。
公式リセール
正規の転売ルートとして公式リセール機能を提供することで、不正転売の抑制と購入者の利便性向上を両立しています。都合により参加できなくなった購入者は、定価での出品が可能で、手数料を差し引いた金額が返金されます。
リセール市場では、キャンセル待ちリストに登録した希望者に優先的に案内が送られ、公平な再販売が実現されています。転売価格の高騰を防ぎながら、真にチケットを必要とする人に届ける仕組みとして、アーティストや主催者からも支持されています。
参加者へのメッセージ・アンケート送信
イベント前後のコミュニケーション機能により、参加者との継続的な関係構築が可能です。開催直前の注意事項送信、天候による開催可否の連絡、アクセス情報の提供など、重要な情報を確実に届けることができます。
アンケート機能では、満足度調査から詳細なフィードバック収集まで、さまざまな形式での調査が可能です。選択式、記述式、評価スケールなど多様な質問形式に対応し、回答データは自動的に集計・分析されます。回収率を高めるため、回答者への特典付与機能も備わっています。
セグメント配信機能により、特定の条件に合致する参加者にのみメッセージを送ることも可能です。初参加者への特別な案内、リピーターへの感謝メッセージ、地域別の交通情報など、パーソナライズされたコミュニケーションが実現できます。
イベントグッズや動画コンテンツの販売オプション
チケット販売と連動した物販機能により、収益機会の最大化が図れます。事前予約による在庫リスクの軽減、限定グッズの抽選販売、チケット購入者限定の特別商品など、さまざまな販売戦略が可能です。
ライブ配信チケットの販売にも対応しており、会場キャパシティを超えた集客が実現できます。アーカイブ配信の期間限定販売、複数カメラアングルの切り替え機能、投げ銭機能の実装など、デジタルコンテンツならではの付加価値を提供できます。
決済から配送まで一元管理できるため、運営負担が大幅に軽減されます。在庫管理、注文処理、配送手配、返品対応まで、ECサイト運営に必要な機能がすべて含まれており、イベント運営に集中できる環境が整っています。
集客支援・プロモーション支援
プラットフォームが持つ顧客基盤やメディア力を活用した集客支援サービスが提供されています。メルマガ配信、SNS広告、提携メディアでの露出など、多角的なプロモーション展開が可能です。大手プレイガイドでは月間数千万人のアクセスがあり、トップページやカテゴリページでの露出により、高い集客効果が期待できます。
また、プレスリリース配信や記者発表会の手配など、パブリシティ支援も行われています。業界メディアとのネットワークを活用し、効果的な情報発信をサポートすることで、話題性の創出と認知度向上に貢献します。
手数料比較だけで選ばないほうが本当はいい?
チケット販売サービスを選ぶ際、手数料率の低さだけに注目してしまうと、実際の運営で思わぬ落とし穴に遭遇することがあります。表面的な手数料率が安くても、必要な機能が不足していたり、サポート体制が不十分だったりすると、結果的に大きな損失や機会損失につながる可能性があります。
どのようなことが考えられるでしょうか。
海外販売に対応していないことがある
インバウンド需要の取り込みや海外ファンへの販売機会を逃すリスクがあります。訪日外国人観光客は年間3000万人を超え、エンタメ消費への意欲も高いにもかかわらず、多くの格安プラットフォームでは英語表示すら対応していないのが現状です。
海外決済への対応不足も深刻な問題となっています。国内のクレジットカード決済には対応していても、海外発行カードや PayPal、Alipay などの国際決済手段に対応していないサービスでは、購入段階で離脱が発生してしまいます。
さらに、確認メールや入場案内、キャンセルポリシーなど、すべての顧客接点で適切な言語サポートが必要になります。また、タイムゾーンの違いによる販売開始時刻の混乱、現地通貨での価格表示、国際配送への対応など、細かな配慮が求められる部分で、格安サービスでは対応が不十分なケースが散見されます。
不正転売への対策や公式リセール対応などが各社によって違う
顔認証システムや電子チケットの暗号化技術など、最新の不正転売対策を導入しているプラットフォームと、基本的な本人確認のみのサービスでは、転売被害のリスクが大きく異なります。人気アーティストの場合、転売対策が不十分だと定価の5倍以上で転売される事態も発生し、ファンからの信頼を失う結果になりかねません。
さらに、公式リセールシステムの有無も重要な差別化要素です。公式リセールがないと、購入者は非公式な転売サイトを利用せざるを得なくなり、トラブルの温床となります。
イベント規模によって手数料体系による負担が異なる
小規模イベントと大規模イベントでは、最適な手数料体系が大きく異なります。販売枚数が100枚程度の小規模イベントでは、月額固定費がかかるサービスを選ぶと、1枚あたりの実質手数料が極端に高くなってしまいます。逆に、数万枚規模の大型イベントでは、従量制の手数料だけで数百万円に達することもあり、固定費プランの方が有利になるケースがあります。
売上規模による手数料率の変動も考慮すべき要素です。多くのプラットフォームでは売上金額に応じて手数料率が変動します。しかし、この優遇条件も各社で大きく異なり、年間契約が必要だったり、最低保証金額が設定されていたりと、細かな条件を見落とすと想定外のコスト増につながります。
キャンセル時の手数料負担も規模によって影響度が変わります。悪天候による中止など、やむを得ない理由でイベントがキャンセルになった場合、すでに発生した決済手数料や発券手数料の扱いは各社で異なります。大規模イベントでは、この差が数十万円から数百万円の違いとなって現れることもあります。
集客力・販売ネットワークの広さが違う
プラットフォーム自体の集客力は、特に無名アーティストや新規イベントにとって死活問題です。チケットぴあは月間2000万人以上、イープラスは1500万人以上のユーザーを抱えており、トップページに掲載されるだけで数万人への露出が期待できます。
提携メディアとの連携力も重要な要素です。大手プラットフォームは音楽雑誌、ラジオ局、動画配信サービスなどと提携しており、プロモーション展開の幅が広がります。
チケット販売サービスの特徴と手数料
チケット販売サービスを選ぶ際、各サービスの特徴や手数料体系を理解することは、イベント主催者としての収益に直結する重要な判断材料となります。手数料の仕組みは一見複雑に見えますが、基本的な構造を把握することで最適な選択が可能になります。
以下では、主要なチケット販売サービスの特徴と手数料体系を分かりやすく解説します。
チケミーの資料を請求 ▶︎チケミー

チケミー:https://ticketme.io/
チケミーは、ブロックチェーン技術を活用したNFTチケット販売プラットフォームです。特に不正転売防止と二次流通の健全化、外国人に向けたチケットの海外販売に力を入れています。2025年の3月には、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所)とヤング・コミュニケーションと共に自民党本部で開催されたクール・ジャパンに関する会議で登壇しました。
チケミーの最大の特徴は、NFT技術を活用した高いセキュリティと透明性です。ブロックチェーン上に記録された唯一無二のデータとしてチケットが発行されるため、偽造や不正コピーのリスクが大幅に低減されます。また、スマートフォン一つで簡単に入場管理ができるため、紙チケットを使用する場合と比べて現場の負担も軽減されます。
海外販売に関しては、英語、韓国語、中国語(簡体字・繁体字)アラビア語、イタリア語、フランス語、スペイン語の7言語や海外で発行されたクレジットカードやアリペイなどに対応されており、チケットを購入しやすい形になっています。
手数料体系については、チケット発行者からは売上の5%、チケット購入者からは決済手数料として5%をいただく形式です。この手数料設定は、多くの大手プレイガイドと比較してもリーズナブルな水準といえるでしょう。
さらにチケミーでは独自のシステムである「二次流通における収益還元システム」があります。チケットがリセールされた場合、その売買額の一部(リセール価格から元の購入価格を引いた差額の0〜90%)がチケット発行者に還元される仕組みを持っています。この仕組みにより、従来は転売業者だけが得ていた利益を、イベント主催者やアーティストが受け取ることが可能になりました。
ホリプロのブロードウェイミュージカル「カムフロムアウェイ」やミュージカル「えんとつ町のプペル」など、有名作品での導入実績があります。特に転売問題に悩まされてきた人気イベントや、ファンとの関係性を重視するアーティストのイベントとの相性が良いといえるでしょう。
\海外販売も不正転売の防止もできるプレイガイド/
チケミーの資料を請求 ▶︎手数料 | 販売手数料:5% 無料チケットの場合0円 |
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チケット形式 | 電子チケット |
販売方式 | 委託型・セルフサーブ型 |
チケットぴあ

チケットぴあ:https://t.pia.jp/
チケットぴあは1984年の創業以来、日本のチケット販売業界をリードしてきた大手プレイガイドです。音楽、スポーツ、演劇、映画など、多岐にわたるイベントのチケットを取り扱い、その知名度と販売網の広さが最大の強みとなっています。
チケットぴあの特徴は、多彩な販売チャネルとサービスの充実度にあります。オンラインでの購入はもちろん、全国のコンビニエンスストア(セブン-イレブンやファミリーマート)約38,000店舗での購入・発券が可能であり、インターネットに不慣れな顧客層へのリーチも可能にしています。また、会員数約1,750万人を誇る「ぴあ会員」システムを運営しており、会員向けの先行販売や割引などの特典が用意されています。
手数料体系については、イベント主催者側の正確な手数料は公開されていませんが、業界内では売上の10〜15%程度と言われています。一方、購入者側の手数料は複数の種類に分かれており、以下のような構成となっています:
- システム利用料:チケット1枚につき330円程度
- 発券手数料:コンビニでの発券時に165円程度
- 配送手数料:公演によって異なる
- 決済手数料:クレジットカード決済は無料、コンビニ決済は1件につき330円程度
チケットぴあでは、「ぴあプレミアム会員」に登録すると、配送手数料や一般発売時の発券手数料が無料になるなどの特典があります。また、購入したチケットを分配・リセールできる「Cloak」サービスも展開しており、公式の二次流通システムも整備されています。
チケットぴあは特に大規模なイベントや全国規模の公演との相性が良く、幅広い販売ネットワークを活かした集客力が強みです。ただし、手数料がやや高めに設定されていることと、カスタマイズの自由度が限られる点は考慮が必要です。
手数料 | ・自由席の場合 販売手数料:8% 公演登録料:無料 用紙代:1枚10円 ・指定席の場合 販売手数料:10% 公演登録料:10,000円 用紙代:一枚あたり10円 |
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チケット形式 | 紙・電子チケット |
販売方式 | 委託型 |
e+(イープラス)

e+(イープラス):https://eplus.jp/
e+(イープラス)は1999年に設立された、日本国内最大級のチケット販売プラットフォームの一つです。音楽コンサート、スポーツイベント、演劇、映画など、幅広いジャンルのチケットをオンラインで提供しており、使いやすいインターフェースと充実した機能が特徴です。
イープラスの強みは、独自の電子チケットサービス「スマチケ」を提供していることです。紙のチケットと違い、スマートフォン上でチケットを管理できるため、紛失の心配がなく、環境にも優しいサービスとして好評を得ています。また、チケットの公式二次流通サービスも整備されており、行けなくなった人と行きたい人をつなぐ健全な仕組みを構築しています。
手数料体系については、以下の通りです。
- システム利用料:チケット1枚につき220円
- 店頭発券手数料:ファミリーマートやセブン-イレブンでの発券時に165円/枚
- 配送料:宅配便(佐川急便)で配送する場合、1件につき1,100円
- 決済手数料:クレジットカード決済は無料、コンビニ/ATM/ネットバンキング決済は330円/件
イープラスは中小規模のイベントにも対応しやすく、使いやすいインターフェースと充実した機能が評価されています。特に電子チケットに力を入れており、デジタル化が進む現代のイベント運営との相性が良いといえるでしょう。
手数料 | ・ライトプラン 販売手数料:8% 公演登録料:5,500円 用紙代:1枚10円 ・スタンダードプラン 販売手数料:8%(一般)10%(抽選) 公演登録料:10,000円 用紙代:1枚あたり10円 |
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チケット形式 | 紙・電子チケット |
販売方式 | 委託型 |
ローソンチケット

ローソンチケット:https://l-tike.com/
ローソンチケットは、ローソングループが運営するチケット販売サービスで、全国のローソン店舗を活用した独自のネットワークが強みです。コンビニエンスストアのインフラを活かした発券システムと、「Lコード」と呼ばれるシンプルな予約コードシステムが特徴的です。
ローソンチケットの最大の特徴は、全国約14,000店舗のローソンおよびミニストップに設置されたLoppi(ロッピー)端末での簡単なチケット購入・発券サービスです。インターネットに不慣れな層でも、店頭でLコードを入力するだけで簡単にチケットを購入できる点が強みとなっています。
手数料体系については、以下のような構成となっています。
- システム利用料:チケット1枚につき220円程度
- 発券手数料:ローソン・ミニストップでの発券時に165円程度
- 配送手数料:公演によって異なる
- 決済手数料:クレジットカード決済は無料、コンビニ入金は330円
ローソンチケットは特にローカルイベントや地域密着型の公演との相性が良く、全国のローソン店舗を活用した宣伝展開も強みとなっています。また、独自のポイントプログラム「Pontaポイント」との連携もあり、ポイント還元による顧客囲い込みも行っています。
手数料 | 問い合わせが必要 |
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チケット形式 | 紙・電子チケット |
販売方式 | 委託販売型 |
楽天チケット

楽天チケット https://ticket.rakuten.co.jp/
楽天チケットは、楽天グループが展開するチケット販売サービスで、楽天の巨大なエコシステムとの連携が最大の強みです。楽天市場や楽天トラベルなど、様々な楽天サービスとの相乗効果を活かした集客力と、楽天ポイントを活用した独自の還元システムが特徴となっています。
楽天チケットの特徴は、楽天IDでのシングルサインオン(一度のログインで複数のサービスにアクセスできる機能)と、楽天ポイントの利用・獲得ができる点です。チケット購入で楽天ポイントが貯まり、そのポイントを次回のチケット購入や楽天の他サービスで使用できる点が、楽天ユーザーにとっては大きなメリットとなっています。
手数料体系については、以下のような構成となっています:
- システム利用料:チケット1枚につき330円程度
- 発券手数料:コンビニでの発券時に165円程度
- 決済手数料:セブンイレブン・ ファミリーマートでの決済手数料は330円
楽天チケットは特に楽天エコシステムのユーザーとの相性が良く、楽天市場などの他サービスとのクロスプロモーションによる効果的な宣伝が可能です。また、楽天ポイントの還元率を調整することで、販促ツールとしての活用もできる点が強みとなっています。
手数料 | 4.9% |
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チケット形式 | 紙・電子チケット |
販売方式 | 委託販売型 |
LivePocket-Ticket-

LivePocket-Ticket-:https://t.livepocket.jp
LivePocket-Ticketは、比較的新しいチケット販売サービスながら、シンプルで使いやすいインターフェースと低コストの手数料体系で注目を集めています。特に小規模イベントやインディーズアーティストのライブなど、予算の限られたイベント主催者から支持を得ています。
LivePocket-Ticketの最大の特徴は、シンプルな手数料体系と使いやすい管理画面です。技術的な知識がなくても、直感的な操作でチケット販売ページを作成できる点が評価されています。また、SNSとの連携機能も充実しており、簡単にイベント情報を拡散できる仕組みも整っています。
手数料体系については、販売価格の5%という明瞭な料金設定となっており、これには決済手数料も含まれています。この低コストな手数料設定は、初めてイベントを主催する人や、予算管理を重視する主催者にとって大きな魅力となっています。
LivePocket-Ticketは特に小〜中規模のイベントやコミュニティベースの催しとの相性が良く、必要十分な機能をリーズナブルな価格で提供している点が評価されています。ただし、大手プレイガイドと比較すると知名度や集客力では劣る点は考慮が必要です。
手数料 | ・無料イベント 無料 ・有料イベント 販売手数料5% |
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チケット形式 | 電子チケット |
販売方式 | セルフサーブ型 |
Peatix

Peatix:https://peatix.com/
Peatixは、コミュニティイベントや小規模セミナー、ワークショップなどの運営に特化したチケット販売・イベント管理プラットフォームです。シンプルなインターフェースと充実したコミュニティ機能が特徴で、特にビジネスイベントやスキルシェア系のイベントでの利用が多く見られます。
Peatixの最大の強みは、イベント管理機能の充実度です。単なるチケット販売だけでなく、参加者とのコミュニケーション機能や、イベント当日の受付管理、参加者へのフォローアップメール送信など、イベント運営をトータルでサポートする機能が揃っています。また、独自のSNS的機能も備えており、イベントを通じたコミュニティ形成にも適しています。
手数料体系については、チケット販売価格に対して一定の手数料率(無料イベントは無料、有料イベントは販売価格の4.99%+99円/枚)という明瞭な設定となっています。
Peatixは特にセミナーやワークショップ、ミートアップなどのコミュニティベースのイベントとの相性が良く、イベントを通じた参加者同士のつながりを重視するイベント主催者から支持を得ています。ただし、大規模な音楽イベントやスポーツイベントなどには機能的に不向きな面もあります。
手数料 | ・無料イベント 無料 ・有料イベント 一枚当たり4.9%+99円 |
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チケット形式 | 電子チケット |
販売方式 | セルフサーブ型 |
teket(テケト)

teket:https://teket.jp/
tteket(テケト)は、NTTドコモが開発した電子チケット販売サービスで、特に音楽コンサートや舞台公演向けに特化しています。現在は株式会社teketによって運営されており、審査不要で誰でも簡単にイベントページを作成できる手軽さが特徴です。特にクラシック音楽やオーケストラのコンサートなどで利用が広がっています。
teketの最大の特徴は、購入者側の手数料の安さです。通常、チケット購入時にはシステム利用料や発券手数料などが発生しますが、teketではこれらの手数料が無料となっています。これにより、チケット代金以外の追加費用を気にせずに購入できる点が、多くのユーザーから支持されています。また、購入者は会員登録なしでもチケット購入が可能であり、購入したチケットはメールで送られてくるPDFチケットで管理できます。
手数料体系については、イベント主催者側の販売手数料は以下のような構成となっています。
- 無料公演の場合:完全無料(手数料0円)
- 有料公演(自由席/ライブ配信)の場合:販売手数料8%
初期費用や月額固定費は無料で、販売実績に応じた手数料のみとなっているため、小規模なイベントや初めてチケット販売を行う主催者にとって導入しやすいサービスといえるでしょう。
teketはシンプルさを重視しているため、機能面では大手プレイガイドと比較するとやや限定的です。しかし、チケット作成から販売、入場管理までの基本機能は備えており、BASE(ベイス)やSUZURI(スズリ)などのECサイトとの連携も可能です。また、チケット譲渡機能やシリアルコードでの招待機能なども備えています。
teketは特に小〜中規模のイベントや、クラシック音楽、オーケストラなどのコンサートとの相性が良く、手数料の安さと導入の容易さから、アマチュア団体からプロの団体まで幅広く利用されています。
手数料 | 無料イベント 0円 自由席 8% 指定席 10% 振り込み手数料 220円/回 |
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チケット形式 | 紙・電子チケット |
販売方式 | セルフサーブ型 |
ZAIKO

ZAIKO:https://zaiko.io/
ZAIKOは、「アーティスト・主催者ファースト」をコンセプトに掲げる電子チケット販売プラットフォームです。特にライブ配信に強みを持ち、業界最多のライブ配信イベント実績を誇ります。独自の世界観を持つオリジナルの販売ページを簡単に作成でき、イベントブランディングを損なわないチケット販売が可能です。
ZAIKOの最大の特徴は、柔軟な手数料設定オプションです。従来は均一だった販売手数料を、主催者が0%に設定することが可能となりました。これにより、手数料を購入者負担とするか主催者負担とするかを選択できるようになり、イベントの性質や戦略に合わせた収益構造を設計できます。また、「投げ銭」機能も備えており、ライブ配信時に視聴者から追加の支援を受けることができるシステムも整っています。
手数料体系については、以下のような構成となっています。
- 主催者販売手数料:0%〜(主催者が選択可能)
- 購入者手数料:主催者が0%を選択した場合、購入者が負担
ZAIKOは多言語・多通貨対応が強みで、日本語、英語、中国語、韓国語などに対応しており、海外からの購入も容易です。決済方法もクレジットカードだけでなく、Alipayなど海外の決済システムにも対応しています。このグローバル対応により、国境を越えたイベント運営が可能となっています。
また、ZAIKOは「ZAIKOプレミアム」というサブスクリプション型の会員サービスも提供しています。月額600円(税込)で、購入手数料が実質0円になるなどの特典が得られます。頻繁にチケット購入するユーザーにとっては、コスト削減になるサービスとなっています。
ZAIKOの独自機能として、チケット購入データの分析機能が充実しています。購入者の傾向や行動パターンを分析し、マーケティング施策に活用することができます。また、配信中のコメント機能や投げ銭機能のデータも収集・分析できるため、ファンエンゲージメントの向上に役立てることができます。
手数料 | 有料配信 8〜20% 配信手数料 135円 |
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チケット形式 | 電子チケット |
販売方式 | セルフサーブ型 |
ticket board(チケットボード)

ticket board:https://ticket.tickebo.jp
チケットボートは、コンサートやライブのチケットの申し込みから、支払い、発券、入場までをスマートフォンで行える電子チケットサービスです。電通、NTTドコモ、ドリームインキュベータの3社の共同出資により2015年に設立されました。電通やNTTドコモが株主であるため、大規模なコンサートやスポーツイベントでの採用実績が豊富です。さらに、アーティストの公式ファンクラブチケットやスポーツチームの会員向けチケットなど、特定のファン層向けのチケット販売に強みを持っています。
ticket boardは電子チケットに特化しており、スマートフォンアプリでのチケット管理が基本となります。これにより、紙のチケットと比較して偽造が困難であり、また紛失のリスクも低減されています。アプリ内ではチケット情報の管理だけでなく、イベント情報の確認や関連コンテンツの閲覧も可能です。
また、公式の譲渡・リセール機能も備えており、行けなくなった場合の譲渡や返金が公式の手続きで行えるため、二次流通市場の健全化にも貢献しています。譲渡時の手数料も設定されており、不正転売目的の購入を抑制する効果もあります。
手数料 | 公演によって異なる |
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チケット形式 | 紙・電子チケット |
販売方式 | 委託販売 |
Tiget

Tiget:https://tiget.net
Tigetは、少人数のインディーズイベントから数千人規模の大型フェスまで幅広く対応する電子チケット販売サービスです。シンプルで使いやすいインターフェースと、即日審査でスピーディーなイベント公開が可能なことから、特に小〜中規模のイベント主催者から支持を得ています。
Tigetの最大の特徴は、低コストな手数料体系と機動的なイベント公開の速さです。イベント情報の登録から審査、公開までがスピーディーで、急な告知が必要なイベントでも対応可能です。また、シンプルな操作性で専門知識がなくても直感的に操作できるため、初めてイベントを主催する人でも簡単に利用できます。
手数料体系については、以下のような構成となっています。
- 販売手数料:チケット販売価格の5.5%(税込)
- 振込手数料:550円/件
Tigetはソーシャルメディアとの連携機能が充実しており、FacebookやTwitterなどと連動したイベント告知が簡単に行えます。また、イベント情報を埋め込み可能なウィジェットも提供しており、自社サイトやブログでのチケット販売も容易です。
手数料 | 5.5% |
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チケット形式 | 電子チケット |
販売方式 | セルフサーフ型 |
PassMarket(パスマーケット)

PassMarket:https://passmarket.yahoo.co.jp/
PassMarket(パスマーケット)は、Yahoo! JAPANが運営するイベント管理・チケット販売サービスです。Yahooの巨大なユーザーベースを活かした集客力が強みで、特に幅広いジャンルのイベントに対応しています。セミナー、ワークショップから、フェス、マルシェまで、様々なタイプのイベントで活用されています。
PassMarketの最大の特徴は、Yahoo!のプラットフォームと連携した高い集客力です。Yahoo!のトップページや検索結果からの誘導が可能で、Yahoo!のユーザー基盤を活かした露出が期待できます。また、Yahoo!ウォレットとの連携により、Yahoo!ユーザーはスムーズに決済を完了できるため、購入のハードルが低くなっています。
手数料体系については、以下のような構成となっています。
- 販売手数料:チケット販売価格の3.564%(税込)
販売手数料が他サービスと比較して低めに設定されている点が特徴で、特に高額チケットの販売では有利に働きます。また、無料イベントの場合は完全無料で利用できるため、集客が目的のセミナーなどにも適しています。
PassMarketは操作性の良さも魅力で、イベント情報の登録からチケット販売ページの公開までが簡単に行えます。テンプレートが充実しているため、デザインにこだわらなくても見栄えの良い販売ページを作成できます。また、スマートフォン対応も万全で、モバイルからの購入もストレスなく行えます。
Yahoo!のサービスであるため、安心感や信頼性も高く、初めてオンラインでチケットを購入する層にも抵抗感が少ないのも特徴です。ただし、Yahoo! JAPAN IDが必要なため、特に若年層には若干のハードルとなる可能性もあります。
手数料 | 3.564% |
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チケット形式 | 電子チケット |
販売方式 | セルフサーフ型 |
チケットfor LINE Hybrid

チケットfor LINE Hybridは、日本最大級のメッセンジャーアプリLINEと連携した電子チケット販売サービスです。LINE上で完結するチケット購入・管理フローが特徴で、特にLINEを日常的に使用する層への訴求力が高いサービスとなっています。
チケットfor LINE Hybridの最大の特徴は、LINEアプリ内でのシームレスなチケット体験です。イベント情報の閲覧からチケット購入、支払い、チケット管理まで全てLINE上で完結します。これにより、別アプリのダウンロードや新規会員登録の手間がなく、ユーザーにとって極めて利便性の高い体験を提供しています。
また、LINEのID連携により、チケットの不正転売や転用を防止する機能も備えています。チケットはLINEアカウントに紐づけられるため、第三者への安易な譲渡が困難になり、正規のチケット流通を促進します。
さらに、LINE公式アカウントとの連携により、イベント告知からチケット販売、当日案内、事後フォローまで一貫したコミュニケーションが可能です。これにより、イベント前後のエンゲージメントを高め、ファンとの継続的な関係構築に貢献します。
手数料 | チケット1枚毎の利用手数料のみ(要問い合わせ) |
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チケット形式 | 電子チケット |
販売方式 | セルフサーブ |
まとめ
本記事では、チケット販売手数料の仕組みから、手数料以外に考慮すべき選定ポイント、そして各社のサービス比較までを解説しました。
チケット販売手数料は、システムの維持やセキュリティ対策、各種サポートなど、イベントを円滑に進めるための重要なコストです。そのため、手数料の安さだけでサービスを選ぶのではなく、
- イベントの規模や目的に合った機能が揃っているか
- 十分な集客支援やサポート体制が整っているか
- 決済方法や不正転売対策は万全か
といった点を総合的に比較検討することが、イベントを成功に導く鍵となります。
