アメリカは、多様性に富み、活気に満ちた国であり、様々なイベントを開催するのに最適な場所です。そのため、アメリカでイベントを開催しようと計画されている方もいらしゃると思います。この記事ではイベントを成功させるために重要なポイントやチケット販売する方法などについて詳しく解説します。
アメリカのイベント市場を理解する
アメリカのイベント市場は、2020年には94.8億ドルの市場規模を持ち、2030年までには538.6億ドルに達すると予測されており、その成長率は年平均13.0%になると見込まれています。音楽コンサート、フェスティバル、スポーツイベント、展示会やカンファレンス、企業イベントやセミナー、ウェビナー、ハイブリッドイベントなど、さまざまなタイプのイベントをカバーしています。また、スポンサーは重要な収入源となっています。
アメリカのイベント市場は現在、コロナ禍の影響から徐々に回復しつつあり、特に2022年後半からライブ音楽公演やスポーツイベント、コンベンションなどが活発化していました。しかし、完全に従前の水準に戻ってはいません。
一方でバーチャルイベントの普及が進み、オンラインセミナーやeスポーツ大会など、新たなイベントカテゴリーが成長しています。
また、イベント運営にAI/テクノロジーを活用する動きが加速。チケットの動的価格付け、仮想会場、メタバース活用などの試みが増えていました。
安全対策の強化や、サステナビリティ(環境配慮)への意識の高まりもみられています。
成功するイベントの共通点を調べる
成功するイベントには、いくつかの共通点があります。魅力的なコンテンツ、優れた運営能力、戦略的なマーケティング、参加者中心のアプローチなどが挙げられます。これらの要素を組み合わせることで、参加者の期待に応え、イベントの価値を高めることができます。過去の成功事例を分析し、その秘訣を学ぶことも重要です。
以下は、アメリカでも有名なイベントやフェスティバルの一例です。
音楽フェスティバル: コーチェラ音楽祭
コーチェラ音楽祭は、カリフォルニア州インディオで開催される、ロック、ポップ、インディー、ヒップホップ、電子ダンス音楽を特徴とするイベントです。毎年約75万人が参加し、その美術設置作品やスカルプチャーが特徴です。コーチェラは、独自のダイニング体験やホテルのパーティーシーンで知られていますが、音楽祭としての魅力はそのままに、リラックスした砂漠の空気を楽しむ場所として人気があります。
スポーツイベント: ボストンマラソン
ボストンマラソンは、アメリカで最も歴史のある年次マラソンの一つで、毎年4月に開催されます。1897年から続いており、世界中からランナーが集まります。参加するには予選タイムが必要で、有料のイベントです。これはスポーツイベントとしての成功の典型例で、長年にわたり高い人気を保っています。
ビジネスカンファレンス: サウス・バイ・サウスウエスト (SXSW)
SXSWはテキサス州オースティンで開催される、音楽、映画、インタラクティブメディアのフェスティバル兼カンファレンスです。1987年に始まり、技術、エンターテイメント、メディア業界のプロフェッショナルが集まります。有料のパスを購入することで、セミナーや講演、音楽パフォーマンスにアクセスできます。SXSWは、ビジネスとクリエイティビティが交差する場として、毎年数十万人が訪れる大規模なイベントです。
開催地選びのポイント
アメリカでイベントを開催する際には、開催都市の特性を深く理解することが重要です。アメリカは広大で、各地域にはその特色や文化があります。例えば、テクノロジー関連のイベントはシリコンバレーやオースティンのようなテクノロジーが盛んな地域で開催すると参加者の関心を引きやすいです。一方で、芸術や文化に焦点を当てたイベントは、ニューヨークやロサンゼルスのような文化的に豊かな都市が適しています。
また、アクセシビリティも重要な要素です。参加者が容易にアクセスできるかどうかを考える必要があります。主要な交通網に近いか、空港からのアクセスは便利か、公共交通機関は充実しているかなど、参加者の移動のしやすさを考慮することが必要です。イベントの規模によっては、ホテルの宿泊施設の利用可能性も重要なポイントとなります。大規模な国際会議などを計画している場合、周辺の宿泊施設が十分に確保できるか、またそれらが予算内で収まるかも検討する必要があります。
イベントの業態によっては、施設の質にも注目する必要があります。使用する施設が最新の技術を備えているか、適切なサイズであるか、必要な設備(音響設備、照明、プレゼンテーション機器など)が整っているかどうかを確認します。また、イベントの性質に応じて、特別な設備が必要になることもあるので、その点も考慮に入れる必要があります。
コストの面では、予算内で最大の効果を得るために、さまざまなオプションを比較検討することが重要です。開催地の選択によっては、地域の政府や観光局からのサポートを受けられる場合があります。これらの機関は、イベントを通じて地域の経済活性化を図りたいと考えているため、宣伝支援や資金提供など、様々な形での支援を提供してくれる可能性があります。
最後に、イベントの目的と参加者の期待を常に念頭に置くことが大切です。教育的なワークショップ、ビジネス会議、エンターテイメントイベントなど、イベントの種類によって適した場所は異なります。参加者が求める体験を提供できるかどうかを考え、それに最も適した場所を選ぶことが成功への鍵となります。
人気のイベント都市とその特徴
アメリカには、イベント開催に適した都市がたくさんあります。ニューヨーク、カリフォルニア、ラスベガス、シカゴ、オーランド、サンフランシスコなどが、人気の開催地として知られています。
以下は、イベント開催に適した都市の情報です。
1. ニューヨーク
ニューヨークは、アメリカ合衆国の北東部に位置する州です。州都はオールバニですが、最も有名な都市はニューヨーク市であり、しばしば「ビッグアップル」とも呼ばれます。ニューヨーク市は、国際的な金融、文化、ファッションの中心地として知られ、世界で最も影響力のある都市の一つとされています。
- マンハッタン: 芸術、ファッション、商業の中心地として知られ、小規模なミーティングから大規模なコンベンションやファッションショーまで幅広く対応可能です。
- ブルックリン: よりユニークでクリエイティブなイベントに適しており、アートギャラリーや屋外スペースが人気です。
2. カリフォルニア州
カリフォルニア州は、アメリカ合衆国の西海岸に位置する州で、その多様性と機会の豊かさで知られています。人口では米国で最も人口の多い州です。また、シリコンバレーがあるなど世界のテクノロジー産業の中心地でもあります。エンターテインメント分野においても、ハリウッドが世界の映画産業の中心となっており、数多くの映画やテレビ番組がここで製作されています。
- ロサンゼルス: 映画やエンターテインメント業界のイベントに最適な場所で、高級ホテルやスタジオが利用されます。
- サンフランシスコ: テクノロジー関連の会議やスタートアップイベントに人気の都市で、革新的なスペースが多いです。
3. ネバダ州ラスベガス
ラスベガスは、アメリカ合衆国ネバダ州の南部に位置する都市で、特に「世界のエンターテイメントの首都」と呼ばれることが多いです。その名声は、高級なカジノホテル、豪華なライブエンターテイメント、そして一流のレストランによって築かれています。ラスベガスは、ネオンライトで輝くストリップ通りが有名で、ここには世界中から観光客が集まります。
コンベンションや大規模な業界イベントに適した施設が多く、エンターテインメントや宿泊施設も充実しています。
4. イリノイ州シカゴ
イリノイ州シカゴは、アメリカ合衆国中西部に位置する都市で、イリノイ州で最大かつ、国内でも第3の人口を有する大都市です。シカゴはミシガン湖の南西岸に位置し、特にその美しい湖岸線、活気ある文化シーン、豊かな歴史、そして建築の名所で知られています。
中心部に位置するマッコーミック・プレイスは、アメリカ最大級のコンベンションセンターの一つであり、各種展示会や会議に利用されます。
5. フロリダ州オーランド
フロリダ州オーランドは、アメリカ合衆国フロリダ州の中央部に位置する都市で、特に家族連れに人気の高い観光地です。オーランドは「テーマパークの首都」として世界的に知られており、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート、ユニバーサル・オーランド・リゾート、シーワールドなど、数多くの大規模なテーマパークがあります。これらのテーマパークは年間を通して多くの訪問者を引き寄せ、さまざまなアトラクション、エンターテイメント、パレード、ショーが家族連れに楽しまれています。テーマパーク以外にも、アート、音楽、ナイトライフが楽しめ、オーランド美術館やオーランド科学センターなどの文化施設があります。
- 家族向けのイベントやコンベンションに人気があり、ディズニーワールドやユニバーサルスタジオなどのアトラクションが近くにあります。
6. テキサス州オースティン
テキサス州オースティンは、アメリカ合衆国テキサス州の州都であり、その活気ある音楽シーン、豊富な屋外活動、美味しい食べ物、そしてテクノロジー業界の急成長で知られています。オースティンはしばしば「ライブミュージックの世界首都」と呼ばれ、ジャンルを問わず数多くの音楽イベントやフェスティバルが年間を通じて開催されています。また、市内にはテキサス大学オースティン校のような著名な教育機関があり、学生たちの活気が街に活力をもたらしています。そのため、クリエイティブなイベントに最適な都市です。
このように、各都市には独自の特色があり、イベントの目的やターゲット層に合わせて、慎重に選ぶ必要があります。交通アクセス、宿泊施設、観光スポットの有無なども、重要な判断材料となります。
会場の選定基準
適切な会場を選ぶことも、イベントの成功に不可欠です。会場の広さ、設備の質、立地条件、使用料、付帯サービスなどを総合的に評価し、イベントの目的と参加者数に合った場所を選びましょう。例えば、大規模なコンサートなら十分な収容人数を確保でき、良質な音響設備が整っている会場が適しています。一方、ビジネスカンファレンスであれば、会議室や展示スペースの確保が重要になります。
事前に会場を下見し、施設の状況を確認することをおすすめします。必要に応じて、会場スタッフと綿密に打ち合わせを行い、使用方法やスケジュールを調整しましょう。
必要な許可と手続き
イベントを円滑に実施するためには、さまざまな許可を得る必要があります。関係する法令を理解し、遵守することが大切です。手続きの流れや必要書類を事前に確認し、申請期限に遅れないよう注意しましょう。
イベント許可の取得方法
アメリカでイベントを主催する場合、連邦、州、地方自治体のそれぞれのレベルで許可を取得する必要が出てくる場合があります。開催地によって異なりますが、もし手続きが必要な場合は、一般的な流れは以下の通りです。
1. 自治体への申請
最初のステップは、開催地の自治体(市町村)に対して、イベント開催の許可を申請することです。申請書類には以下の情報を記載します。
- イベントの名称と開催目的
- 開催日時と場所
- 予想来場者数
- プログラム内容の概要
- 駐車場や交通規制の計画
- 医療・救急体制
- 騒音対策
- 保安警備の計画
- 主催者の連絡先
規模が大きいイベントの場合は、さらに詳細な情報が求められる可能性があります。自治体によっては公聴会の開催を求められることもあります。
申請から許可が下りるまでに数週間から数ヶ月を要する場合があるため、できるだけ早めに手続きを始めることが賢明です。
2. 州の許可取得
自治体の許可が下りた後は、州の関係当局からも許可を取る必要があります。食べ物の販売や酒類の提供を予定している場合は、保健当局への申請が必須です。また大規模なイベントでは、消防や公安当局からの許可が必要となります。
3. 連邦政府への届出
大がかりなイベントの場合は、連邦政府への届出や許可が求められることもあります。例えば、大規模な交通規制が必要な場合は連邦高速道路局に、有名人の参加が見込まれる場合は連邦保護観察局(マーシャルサービス)に、それぞれ届出が必要です。
4. 保険加入
イベントの規模にかかわらず、万が一の事故に備えて保険に加入することが賢明です。主催者賠償責任保険のほか、来場者の傷害保険など、リスクに応じた適切な補償を用意しましょう。
このように、アメリカのイベント開催には多岐にわたる許可取得が求められます。準備期間を十分に確保し、手続きの遅れがないよう注意しましょう。分からないことがあれば、専門家に相談するのも賢明です。法令を順守し、参加者の安全を最優先することが何よりも重要です。
効果的なチケット販売戦略
チケット販売は、イベントの収益源となるだけでなく、プロモーション機会にもなります。早期販売による資金調達、プレミアムチケットのバンドリングなど、様々な手法を組み合わせることで、収益力を高められます。また、海外からの参加者に向けても、販売チャネルを用意する必要があります。日本と海外のチケットプラットフォームについて紹介します
日本のチケット販売プラットフォーム
日本からチケットを販売する際に、TicketMeを使用することができます。既存のシステムで海外に向けてチケットを販売する場合、あまりチケットが売れない。もしくは事前にチケットが購入されず会場でチケットを購入するケースが多いという問題があります。
チケミーではそうした問題を解決するために訪日外国人への効果的なマーケティング、チケット販売のオンラインシステム/AlipayやWeChat pay、PayPalなどの海外で使用されている決済手段の提供、開催日における外国人向けオペレーションのサポートも行います。
現在事前予約を受け付けているので、ご興味のある事業者様は下記のリンクからお問い合わせください。
海外のチケット販売プラットフォーム
外国人に親しみやすいチケット販売プラットフォームには、Eventbrite、Ticketbud、Festicket、Citizen Ticketなどのサービスがありますが、対応言語が英語だけということもあるため日本人にとっては使いずらい可能性があります。
『TicketMe海外販売』では複数の言語に対応し、クレジットカード決済や海外でよく使われる決済方法を使用することも可能です。
また、チケット海外販売では為替レートの変動に注意が必要です。参加者にとってわかりやすい価格設定を心がけましょう。また、外国人観光客向けの旅行商品とのバンドル販売も、一案です。航空券やホテル宿泊と合わせてパッケージ化すれば、より手軽な予約が可能になります。
プロモーションとマーケティング戦略
チケット販売を促進するには、効果的なプロモーションとマーケティング戦略が不可欠です。ソーシャルメディアの活用は、低コストで多くの人々へリーチできるため、有力な手段の一つです。Facebook、Twitter、Instagramなどのプラットフォームを使い、定期的に情報発信しましょう。また、インフルエンサーマーケティングにも注目が集まっています。
また、広告の出稿や、メディアへのプレスリリース配信なども有効な手段です。ターゲット層に合わせ、適切なチャネルを選びましょう。割引キャンペーンやコンテストの実施も、参加意欲を高めるのに役立ちます。様々なアプローチを組み合わせ、マーケティングの多角化を図ることが肝心です。
海外チケットラボでは、アメリカでのSNSマーケティングについての記事も公開していますのそちらもご覧になって下さい。
現地での物流とサポート
イベントの当日は、物流とスタッフのマネジメントに気を配る必要があります。設営から撤収に至るまで、スムーズな運営を実現するための万全の体制を整えることが重要です。
機材輸送とセットアップ
大規模なイベントでは、大量の機材を会場に輸送する必要があります。音響機器、照明機材、展示物品など、開催日に間に合うよう、余裕をもった計画が求められます。輸送業者の選定は慎重に行い、状況に応じて専門業者に依頼することも検討しましょう。
会場への搬入、セットアップについても手間がかかります。作業員の手配、電源の確保、安全対策など、細かい点にも気を配る必要があります。設営に十分な時間を割き、トラブルに備えましょう。また、撤収作業についても同様のマネジメントが求められます。
多言語サポートとスタッフ配置
イベントには、様々な国から参加者が訪れます。そのため、スタッフには複数の言語に対応できる能力が求められます。英語に加え、主要言語を理解できるスタッフを配置し、外国人参加者をサポートできる体制を整えましょう。
スタッフの人数と配置場所についても、綿密な計画が必要です。受付、案内、警備、医療対応など、各セクションに適切な人員を割り当てなければなりません。ボランティアスタッフの活用なども選択肢の一つです。イベントの規模に応じて、適切な人員体制を組むことが大切です。
イベント後のフォローアップ
イベントが終了しても、主催者の仕事は終わりません。参加者からのフィードバックを収集し、次回のイベントに活かすことが大切です。また、適切な方法でフォローアップを行い、参加者との関係性を維持することも重要です。
参加者フィードバックの収集
参加者の満足度を把握するため、イベント後にアンケート調査を実施しましょう。オンラインアンケートなら手軽に回答を集められ、効率的なデータ収集が可能です。アンケート項目は、全体的な満足度だけでなく、コンテンツの質、運営の円滑さ、サービスレベルなど、具体的な観点から評価を得ることが重要です。
フィードバックを分析し、課題を洗い出します。良かった点は継続し、改善点については真摯に対応する必要があります。参加者の生の声に耳を傾け、次回のイベントにつなげていきましょう。
次回イベントへのつなぎ方
参加者との関係性を大切にし、次回イベントにつなげていくことも重要です。イベント後に、参加者向けのメールマガジンを配信し、次回開催の情報を事前に伝えるのも一つの方法です。SNSでのフォロワー獲得やコミュニティ形成なども有効です。
また、参加者に向けたスペシャルオファーの提供も検討できます。リピーター割引やVIP特典など、次回イベントへの参加意欲を高めるインセンティブを設けるのがよいでしょう。継続的なエンゲージメントを維持し、ロイヤルなファンベースを構築することが、イベントビジネスの発展につながります。
このように、アメリカでイベントを開催するには様々な準備と配慮が必要とされます。法令の遵守、適切な場所の選定、マーケティング戦略の立案、物流とサポート体制の構築、参加者への対応など、細部にわたる検討が求められます。しかし、手順を着実にこなせば、必ずや成功に結びつきます。この機会に富むアメリカの地で、皆さまのイベントが大いに盛り上がることを願っています。
まとめ
アメリカでイベントを開催するために必要なことや、開催地選びのポイント、チケット販売の方法などについて知っていただけたでしょうか?
チケミーを使用することでチケットを外国人に向けて効率的に販売することができます。ぜひチケミーの資料請求してみてください。
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