イベントの収益を最大化するためには、チケットの価格設定が重要です。需要に応じて価格を変動させるダイナミックプライシングは、イベント主催者にとって魅力的な手法です。本記事では、ダイナミックプライシングの仕組みや活用事例、導入時の注意点などを詳しく解説します。イベントの成功に向けて、ぜひ参考にしてください。

ダイナミックプライシングでチケットの売上を最大化しよう

ダイナミックプライシングとは、需要の変動に合わせて価格を柔軟に変更する手法のことです。イベントの人気度や開催時期、天候などの要因で需要が変わるため、固定価格では収益を最大化できません。そこで、需要予測に基づいて価格を最適化するダイナミックプライシングの出番です。

ダイナミックプライシングを活用すれば、次のようなメリットが期待できます。

  • 需要が高い時は価格を上げ、低い時は下げて、売上を最大化できる
  • 早期割引で先行予約を促進したり、人気公演は高めの価格設定で売上を伸ばせる
  • お得感を演出して購買意欲を喚起できる
  • 売れ残りのリスクを減らせる

需要予測と価格最適化を的確に行えば、チケットの売上を大きく伸ばすことができます。

国内外の著名イベントもダイナミックプライシングを導入

オリックス・バファローズのプロ野球チケット販売

 2019年7月16日、オリックス・バファローズは京セラドーム大阪で行われた対楽天戦において、日本プロ野球界で初めて全座席を対象に1円単位のダイナミックプライシングを導入しました。この試みは、需要に応じた価格設定により、チケット販売の最適化を図るもので、実証実験として注目を集めました。

中日ドラゴンズのプロ野球チケット販売 

中日ドラゴンズは2021年のシーズンからダイナミックプライシングを導入しました。このシステムは、需要の変動に応じてチケット価格を調整することで、ファンに適正価格でのチケットを提供し、球団の収益向上にも寄与することを目的としています。

Yahoo!チケット EXPERIENCE VOL.1 

2019年11月21日から24日にかけて開催された、日本初のダイナミックプライシングを用いた音楽イベントです。新しいチケット販売手法として業界内外から注目を集めましたが、いくつかの問題点が指摘されたものの、今後の活用の可能性を探る貴重な事例となりました。

Jリーグのサッカーチケット販売

 Jリーグでは、ダイナミックプライシングを導入している事例があります。サッカーの試合では、対戦カードや天候、曜日などによって需要が変動するため、ダイナミックプライシングを活用することで、需要に合わせた価格設定が可能になります。

Bリーグのバスケットボールチケット販売 

日本のプロバスケットボールリーグであるBリーグも、ダイナミックプライシングを導入している事例の一つです。試合の人気や対戦チーム、開催日時などに応じてチケット価格が変動し、より多くのファンが試合を楽しめるように配慮されています

需要予測と価格最適化の考え方を押さえよう

過去実績と外部要因から需要を予測する

ダイナミックプライシングの肝は、いかに需要を正確に予測するかです。過去の販売実績データを分析し、天気予報や世間の注目度などの外部要因も加味して、総合的に需要を予測します。需要予測が的確であれば、売上を最大化できる価格設定が可能になります。

需要と価格の関係を理解して価格を最適化する

需要が価格に与える影響を定量的に把握することが重要です。需要の価格弾力性を測定し、販売数と売上のバランスが最適になるような価格帯を見極めましょう。競合イベントの価格帯との比較や、顧客の価格感度なども考慮しながら、最適価格を追求します。

ダイナミックプライシングの導入で失敗しないコツ

価格変動幅は顧客の許容範囲内に収める

あまりに大幅な価格変動は、顧客の不信感を招きかねません。通常価格の2割増し程度までに価格変動幅を収めるのがセオリーです。場合によっては、上限価格を設けるなどの配慮も必要でしょう。

価格設定の根拠を明確に説明する

「需要が高いから値上げした」では、顧客の理解は得られません。どんな価値を提供するのかを丁寧に説明し、値上げの合理的な理由を明記しましょう。ホームページやチケットサイトで、価格設定の考え方を誠実に開示するのが肝要です。

ダイナミックプライシングに向くイベントの特徴

コアファンが少なく、新規顧客の取り込みが必須のイベント

コアファンの多いイベントでは、ダイナミックプライシングはあまり効果的ではありません。一方、新規顧客の開拓が不可欠な場合は、割引価格でファン層を広げるチャンスです。購買意欲をくすぐる価格設定で、新規顧客を呼び込みましょう。

公演回数が多いロングランイベント

公演回数が多いイベントでは、回によって需要のバラつきが出やすくなります。ダイナミックプライシングで需要の谷間を埋めつつ、ピーク時の売上を最大化するのが賢明な戦略です。

ダイナミックプライシング導入の鍵を握るシステム選定

実績豊富で使い勝手の良いシステムを選ぶ

安定稼働の実績があり、需要予測や価格最適化の機能が充実したシステムを選びたいですね。直感的な操作性やレポート機能の使い勝手も重視しましょう。イベント運営を支える重要なシステムだけに、信頼できるベンダーから導入するのがベストです。

初期コストと運用コストのバランスを考える

初期の導入コストも無視できませんが、より大切なのは月々の運用コストです。過度な初期投資は避けつつ、ランニングコストがリーズナブルなシステムが理想的。将来の売上アップ効果を見込んで、費用対効果の高いシステムを選定しましょう。

ダイナミックプライシングを使用してチケット販売するチケットサイト

ダイナミックプライシングを使用してチケットを販売する方法にチケミーがあります。

電子チケットを販売するため24時間、365日インターネットが繋がる場所ならいつでもどこでもチケットを作成できます。しかも、QRコード付きのチケットを発行できるため、当日の受付もスムーズに運べます。さらに急にイベントに参加できなくなった人のために全てのチケットにリセール機能がついている他、リセールが行われた際にもイベント主催者側にチケットの代金の一部がロイヤリティとして還元するため、新たな収益源とすることができます。

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販売機能では、専用の販売ページを開設し、クレジットカード決済や銀行振込など、多彩な購入方法を提供します。しかも、購入者管理機能も充実しているので、リピーターの把握もばっちりです。効果的な販促施策に役立ててもらえます。

こうした便利な機能を使いこなせば、チケット販売の手間を大幅に減らしつつ、売上げアップも狙えるというわけです。ツールの力を味方につけることも、イベント収益化の重要なポイントと言えます。

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まとめ

ダイナミックプライシングは、イベントの収益力を高める有力な手法です。本記事で解説した通り、需要予測と価格最適化の考え方を理解し、顧客心理に配慮した価格設定を行うことが成功の秘訣。ダイナミックプライシングの本領を発揮できるイベントの特徴も押さえておきたいですね。システム選定では費用対効果とユーザビリティを吟味し、賢明な判断を下しましょう。チケット価格の動的管理を通じて、イベントの売上最大化を実現しましょう!