先行販売とは、一般販売が始まる前に特定条件を満たした人だけが申し込める販売方法です。ファンクラブ先行・オフィシャル先行・プレイガイド先行など6種類が存在し、どれに申し込むかが迷いどころです。

申込方式は抽選と先着の2種類で、それぞれ準備の仕方が変わります。一次先行・最速先行といった段階ごとに応募条件も違うため、情報を整理してから申し込む必要があります。

この記事では、種類の違いから申込手順・当選確率を上げる動き方まで解説します。読んだあとは自分の状況に合った先行を2〜3個に絞り込んで、申し込みに進めるようになります。

先行販売とは何か

先行販売とは、一般販売が始まる前に特定条件を満たした人だけが申し込める販売方法です。最速先行・一次先行・二次先行と呼び方が分かれていて、どれが一番早く、誰が応募できるのかが分かりにくくなっています。

一般販売との違い

大きな違いは申込方式と販売タイミングの2点。先行販売は抽選方式が中心で、申込期間内に応募すれば全員に当落結果が届きます。一方、一般販売は先着順が中心。発売開始の時刻にアクセスが集中し、取り合う形になります。

そのため、時間軸も逆転します。先行販売がすべて終わったあとに残った座席が一般販売へ回るため、人気公演では一般販売の段階で残券がほとんど消えていて、発売から数分で完売します。

一次先行・二次先行・最速先行の意味

先行販売はさらに細かく段階分けされています。早い順に並べると、最速先行・一次先行・二次先行・一般発売の4段階です。段階が進むにつれて応募対象者が広がり、当選確率は下がっていきます。

最速先行は、その名のとおり最も早い段階の枠。FC会員限定で受け付けられるケースが多く、入会して一定期間が経過した会員だけが対象となる公演もあります。

一次先行はプレイガイド会員などが対象です。チケットぴあ・イープラス・ローソンチケットといったプレイガイドの会員資格を持つ人が応募できる枠で、FCに入っていなくても申し込めます。

二次先行は対象がさらに広がり、FC未加入者も応募できる場合が多い段階です。

ただし、同じ一次先行という呼び方でも公演ごとに対象範囲が違うことがあり、業界横断で統一された定義は存在しません。各公演の応募要項を確認しないと、自分が応募できる枠なのか判断できません。

先行販売の種類

先行販売は、誰が販売主体になるかで6種類あります。ファンクラブ・公演主催者・プレイガイド・クレジットカード会社・携帯キャリア・一般枠で、それぞれ会員条件と当選確率が異なります。販売主体の軸で見ると、自分が応募できる枠と狙い目が見えやすくなります。

ファンクラブ(FC)先行

公式ファンクラブ会員限定の優先枠が、ファンクラブ(FC)先行と呼ばれる販売形式。多くの公演で最速先行として実施されることが多く、一般発売より早い段階で席が動きます。

年会費は数千円から1万円前後が主流。入会条件として一定期間の会員継続が求められる公演もあります。良席が狙える可能性が高い一方、必ずしも良席が保証されるわけではなく、座席は抽選で決まります。

ただし、会員数が多いFCだと当選しないこともあり、人気アーティストほど競争率は跳ね上がります。会費を払えば必ず取れるわけではなく、応募できる権利を得る枠にすぎません。

オフィシャル先行

オフィシャル先行とは、アーティストの所属事務所・プロモーターなど公演主催者側が直接実施する先行販売のこと。アーティストや公演の公式サイトで実施されるため、公演主催者が直販する形になり、信頼性の高さが特徴です。

もっとも、事前会員登録(無料)が必要な場合もあり、応募前に公式サイトでの登録手順を確認しておくことになります。FC未加入でも申し込める公演が多く、ファンクラブに入っていないファンが最初に確認する先行です。

一般発売より手数料が安いこともあり、コスト面でも応募する価値があります。販売主体が公演主催者本人のため、料金体系も明朗で、転売仲介を経由しない一次流通の枠です。

FC先行に外れた後の二次チャンスとして使われることも多く、人気公演ではこの枠から動き出すこともあります。会員登録だけで応募できる手軽さから、ライブに行きたい層が最初に検討する枠の一つになります。

プレイガイド先行

チケットぴあ・ローソンチケット・イープラスといったプレイガイドが、会員向けに実施する先行販売もあります。登録無料の会員になれば応募可能なものも多く、応募ハードル自体は低めです。

もっとも、アーティストやイベントごとに取り扱いプレイガイドが異なるため、応募したい公演がどのプレイガイドの先行に出ているかを事前に確認しておかなければなりません。チケットぴあでは扱っていてもイープラスでは扱っていない、というケースが普通に起こります。

プレイガイドごとに先行販売の呼び方が違います。チケットぴあはプレリザーブ、ローソンチケットはプレリクエスト、イープラスはプレオーダーと、名称と仕組みが各社で別々です。

各プレイガイドのサービス詳細や手数料については、以下の記事にまとめています。

プレイガイドとは?仕組み・主要サービス・手数料の実態をやさしく解説

クレジットカード会社先行

セゾンカード・エポスカード・JCBカードといった各カード会社が、独自に先行販売を実施。対象のカード会員であれば抽選に申し込めるため、FCに入っていなくても応募できます。

競争率が低めなのが特徴で、FC先行や一般発売に比べて当選率が上がる公演があります。アーティストのファンというより、対象カードの保有者という条件で母集団が絞られるため、応募者数自体が抑えられやすいです。

とはいえ、対象公演はカード会社ごとに異なり、申し込みたいライブが先行販売に出ているか毎回チェックします。年会費の安いカードでも先行枠を持っていることがあり、保有しているカードの会員サイトは一度確認しておきましょう。

携帯キャリア先行

ドコモ・au・ソフトバンクといった各キャリアも、会員向けに先行販売を提供しています。たとえばクレカ先行と同様に競争率が低めなケースがあり、契約しているキャリアの会員サービスから応募できるのが特徴です。

それぞれのキャリアが運営する会員サイトやポイントプログラム経由で申し込む形式が多く、すでに契約している人なら追加コストなしで応募できます。

一般先行(抽選・先着)

一般先行は、誰でも応募できる公開形式の先行販売です。会員登録の有無を問わない代わりに、抽選方式と先着方式の2種類があり、応募の動き方が異なります。

抽選方式は、申込期間内ならいつ応募しても当選確率は同じです。受付期間中に申し込みを済ませれば、応募タイミングの早さは結果に影響しません。

一方、先着方式は販売開始と同時にアクセスが集中し、早い者勝ちで席が埋まっていきます。販売開始時刻にスタンバイし、回線とサーバの速さで決まる戦いです。

そのため、FC未加入者でも人気公演に挑戦できる枠として、一般先行は外せません。FC・オフィシャル・プレイガイドの各先行を全て外した後でも、ここで当選することがあります。

先着方式の仕組みや申込のコツについては、以下の記事で詳しく解説しています。

チケット先着販売とは?仕組みと前日までに済ませる準備を解説

先行販売のプレリザーブ・プレリク・プレオーダーの違い

プレイガイド先行は、サービスごとに呼び方が違います。チケットぴあはプレリザーブ、ローソンチケットはプレリクエスト、イープラスはプレオーダー。同じ抽選先行の仕組みでも、名称も会員区分も別になっています。

チケットぴあ プレリザーブ

プレリザーブは、チケットぴあが提供する抽選先行サービスです。応募期間内に申し込めば、抽選で当落が決まる形式で、販売開始と同時にアクセスが集中する先着方式とは別枠で動きます。

そのため、無料会員のままでも申込可能で、有料会員プランへの加入は必須ではありません。チケットぴあのID登録さえ済んでいれば、対象公演のプレリザーブにエントリーできます。

ローソンチケット プレリクエスト

プレリクエストは、ローソンチケットが運営する抽選先行サービスです。会員登録さえ済ませれば参加でき、無料会員・有料会員どちらでもエントリー可能な公演が並びます。

もっとも、有料のLEncore会員(年会費1,650円・税込)でなければ申し込めない先行があります。年会費の元が取りやすいのは、本命アーティストがローソンチケット主体で展開している人です。

たとえば、同じ公演でも一般会員枠とLEncore会員枠が並行で動くケースもあり、エントリー前に対象会員区分を確認しておく必要があります。

イープラス プレオーダー

イープラスの先行がプレオーダーです。抽選形式で、応募期間内にエントリーすれば当落発表まで待つ流れはぴあ・ローソンチケットと変わりません。

もっとも、アーティストや公演によって取り扱いプレイガイドが分かれており、イープラスでしか先行が出ない公演もあります。応募したい公演がどのプレイガイドで取り扱われているかは、告知ページで毎回確認します。

先行販売のメリット

先行販売を使う理由は、一般販売より早い購入機会・良席の確率・特典や限定グッズ・複数公演から選びやすい日程の自由度、この4点が中心です。いずれも「販売タイミングの早さ」と「販売枠の優先度」から生まれる構造的な差です。

一般販売より早く購入できる

人気アーティストや話題の公演では、一般販売開始から数分で完売、という光景が定番になりました。サイトに繋がらないまま画面を更新し続けて、気付いたら売り切れ。そんな体験をした購入者は多くいます。

先行販売なら、抽選方式が多く採用されています。そのため販売開始直後のアクセス集中に巻き込まれにくく、申込期間中に落ち着いて手続きを進められます。決済画面のタイムアウトに怯える時間はほぼありません。

良席を確保できる可能性がある

FC先行・オフィシャル先行では、会員向けの優先枠が設けられている公演が大半です。前方ブロックや中央寄りの座席を確保できる可能性が高く、一般販売よりも良席に当たる確率は上がります。

実際、オフィシャル先行のほうが良い席の確率が大きい、一般販売は後方席ばかりだった、という体感は購入者の間で共有されています。チケット販売の仕組み上、アーティストやイベント主催者がファンへ優先的に良席を割り当てる設計になっているためです。

もっとも、抽選結果で後方になることもあります。先行枠でも全員が前方ブロックに当たるわけではなく、良席は保証されていません。一般販売より確率が高い、という以上のことは言えません。

特典付きチケットや限定グッズを入手できる

先行枠ならではの付加価値として、限定特典が用意されることがあります。限定デザインのチケットホルダー、特製Tシャツ、サイン入りポスターなど、その公演でしか手に入らないアイテムが特典として付くケースです。

実際、こうした特典はFC先行・オフィシャル先行を中心に実施されます。会員向けのインセンティブとして設計されており、一般販売では用意されない種類のグッズです。チケット自体の価格は同じでも、付加される体験価値に差が出ます。

複数公演から選びやすい

先行販売は公演スケジュールの初期段階で実施されるため、希望日程や会場をまだ選びやすい状態にあります。一般販売の頃には、週末・初日・千秋楽といった人気日程が埋まっていることも多く、残された選択肢は限られます。

そのため、複数公演にエントリーする戦略も取りやすい設計です。第一希望が外れても別日程で当選するケースがあり、ライブツアーや連日公演では確保できる席数も広がります。

先行販売のデメリット

先行販売で複数の申込を進めたら3枠全部当選して支払いが重なった、当選したのにキャンセルできなくて困った——そういった事態が実際に起きます。申し込む前に知っておきたい注意点は4点です。落選・年会費・当選後のキャンセル不可・座席の未確定。

抽選で落選する可能性がある

先行販売の多くは抽選形式で、早く申し込んでも必ず取れるとは限りません。受付期間内に応募を済ませても、当落は抽選で決まります。

人気公演になると複数回の先行を経ても全て落選することがあります。FC先行・オフィシャル先行・プレイガイド先行と渡り歩いても、当選保証はどこにもありません。

さらに、当選結果発表まで時間がかかるのも負担です。発表を待っている間に他公演や一般販売の日程が重なると、スケジュール調整が難しくなります。先行に申し込んだ公演の結果が出る前に、別公演の一般発売を申し込むかどうかの判断を迫られる場面も出てきます。

会員費・年会費がかかる場合がある

先行販売に応募するには、有料会員資格が前提になる枠があります。代表例がFC先行で、年会費は数千円から1万円前後の設定が多く、複数のFCに入れば負担はそのまま積み上がります。

もっとも、FC加入は当選保証ではありません。年会費を払って入会しても、抽選に外れれば1公演も観られないままシーズンが終わります。

プレイガイド側にも有料の上位会員枠が用意されています。LEncore(ローソンチケット)のような有料会員サービスは年会費がかかる代わりに、無料会員より早い段階の先行枠に応募できる仕組みです。応募チャンスは増えますが、こちらも当選保証はありません。

当選後のキャンセルは原則できない

当選後のキャンセルは原則不可。これが先行販売で最も注意すべき点です。当選通知が届いた時点で購入が確定し、後から都合が悪くなっても返金されません。

加えて、当選確率を上げようとして複数の先行に並行して申し込むと、別の問題が出てきます。FC先行・オフィシャル先行・プレイガイド先行と複数枠に応募した結果、重複当選すれば全て支払い義務が発生します。同一公演で2枚・3枚と被っても、キャンセルできずに全額を負担することになります。

支払い面でも余裕はありません。コンビニ決済は当選結果発表から3日以内に支払いが必要で、期限を過ぎると自動キャンセル扱いとなります。自動キャンセルを繰り返すと、次の申込で抽選対象外にされる可能性も出てきます。

当選しても座席位置は当日まで未定

先行販売で当選しても、座席番号は事前にわかりません。当選通知の段階では公演日と引換方法だけが知らされ、座席番号は抽選後にイベント開催日までに割り当てられる仕組みです。

たとえばアリーナクラスの公演では、入場時の発券で初めて自分の座席列が判明するケースが珍しくありません。アリーナ前方ブロックを当てた人もいれば、スタンド最後列に回された人もいて、結果は当日まで読めません。

そのため、座席位置を事前に選びたい人には先行販売は不向きです。当選後も座席番号は当日まで確定しないため、席を指定して買いたい場合は一般販売の指定席枠を探す形になります。

先行販売の申し込み方

申し込みの方式は抽選か先着かで動き方が全く変わります。抽選はエントリー期間中に応募して当落を待つ流れ、先着は発売開始と同時に枠を取り合う流れです。方式ごとに準備すべきことも異なります。

抽選方式の申し込み手順

抽選方式はエントリー期間内に応募し、当落発表を待つ形式で、手順は5ステップに分かれます。

1ステップ目は、イベント詳細画面でチケットを選び、希望席種と枚数を指定する段階です。公演によっては第1希望から第3希望まで席種を選べる仕組みになっており、希望順位を付けて応募が可能です。

たとえば人気公演では、第1希望が外れても第3希望で当選するケースもあり、希望順位を埋めずに応募すると当たる枠そのものが減ります。

2ステップ目は会員ログインで、未登録なら新規会員登録を先に済ませる流れです。3ステップ目で支払い方法を選び、クレジットカードまたはコンビニ決済から選びます。4ステップ目で応募を確定し、当落発表までは待機期間に入ります。

そして当選通知メールが届いたら、案内された期限内に支払いを済ませ、マイページから電子チケットを受け取れば手続きは終わりです。なお、支払い期限を1日でも過ぎると当選は無効になり、繰り上げ当選も期待できません。

抽選販売の仕組みやシステムの詳細については、以下の記事で解説しています。

チケット抽選販売とは?仕組み・メリット・先着との違いとシステムの選び方を解説

先着方式の準備

先着方式は発売開始と同時に枠を取り合うため、勝負は発売前にほぼ決まります。当日にやる作業を減らし、開始ボタンを押すだけの状態を作っておくのが基本です。

発売開始前には会員登録とログインを済ませておく必要があります。ログインしたままの状態にしておけば、開始時刻に画面遷移をひとつ減らせるため、その分速く決済画面までたどり着けます。

たとえばクレジットカード情報の事前登録もそのひとつで、決済失敗で自動落選になる仕様を避けるための事前対応です。入力中にカード番号を打ち間違えれば、その間に枠が他の人に流れていきます。

そして発売開始と同時にアクセスし、枚数を選択して即時決済まで一気に進みます。コンビニ決済を選ぶと1件あたり220円の手数料がかかる事例もあり、決済期限切れで権利を失うリスクも軽くありません。

当選確率を上げるコツ

当選確率を引き上げる動き方には、いくつかの選択肢があります。

たとえば複数のプレイガイドに並行して申し込む方法は基本のひとつ。抽選販売の仕組み上、申込先を増やせば母数が増え、当たる確率も上がります。もっとも、複数当選した場合は原則としてすべて支払い義務が発生するため、本当に行ける公演数を超えた応募は禁物です。

ファンクラブ加入は、本命公演にだけ絞るのが堅い判断です。複数アーティストのFCに同時加入すると年会費の総額が膨らみ、応募できる枠数の割に支出が増えていきます。

もっとも、支払い方法はクレジットカードを選ぶ方が安全です。コンビニ決済は期限切れで権利を失うリスクが残り、即時決済が完了するカード払いより取りこぼしが多くなります。

さらに、競争率が低めな枠を候補に入れる動きも有効。クレジットカード会社の先行や携帯キャリアの先行は、FC先行より応募者層が限定されるため、本命と並行して応募する価値が高い枠です。発売開始と同時に取り合う先着方式の枠と組み合わせれば、応募チャンス自体を増やせます。

まとめ

先行販売は種類が多く見えます。実際に自分の状況に該当する枠は2〜3個に絞れます。

FC未加入の人にとっての主要入口はオフィシャル先行です。公式サイトで実施されるため、ファンクラブの年会費なしで参加できます。最速・良席を狙うならFC先行。年会費の負担はありますが、当落の確率と席位置はオフィシャル先行と比べて有利です。

この2本柱を確認すれば、ほとんどの公演で対応できます。残りはクレジットカード会社の先行、キャリア(au・ドコモ・ソフトバンク)の先行、プレイガイド先行の3系統で、自分の手持ちのカード・契約から逆算すれば該当枠は1〜2個に収まります。複数の先行に同時申し込みすると重複当選のリスクがあります。複数当選した場合は支払い義務が発生し、辞退できない規約になっている公演が多くあります。

一般販売の先着方式や抽選方式も合わせて検討すると、当選確率の設計がしやすくなります。先行販売の導入を検討している主催者の方は、チケットミーをご覧ください。

先着販売と先行販売を使い分けたい主催者には、チケット販売サービスの比較記事が参考になります。

チケット販売手数料13社を比較!相場や選び方など目的別に解説!